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『ガンダム』シャアがガルマを裏切らなかったら…ジオンは栄光つかめた?

人気アニメ『機動戦士ガンダム』序盤で、印象的なエピソードのひとつが、ザビ家の御曹司であるガルマがシャアの裏切りで戦死することです。シャアの行動原理も示す名場面ですが、もしシャアが友情を取り、ガルマを戦死させなかったらどうなっていたでしょうか。

ジオンの人事はだいぶ違った?

ガルマ・ザビが描かれた『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第4巻(KADOKAWA)
ガルマ・ザビが描かれた『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第4巻(KADOKAWA)

 アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する、ガルマ・ザビは登場話数こそ少ないものの、印象深いキャラクターです。ガルマは敵側勢力のジオン公国を支配する名家・ザビ家の御曹司で、地球の名家・エッシェンバッハ家令嬢イセリナとの結婚を認めてもらうために、地球連邦軍の秘密兵器計画「V作戦」を追います。

 ガルマは内心でザビ家への復讐心を持つシャアを親友だと考え、信用したことで、土壇場で裏切られます。シャアがホワイトベースの動向を報告しなかったことで、奇襲攻撃により戦死する様子は印象的でした。

 ガルマとシャアとは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』にて、士官学校時代の友情が描かれます。『THE ORIGIN』はパラレルワールドですが、『機動戦士ガンダム』本編でも、裏切ったシャアが「君はいい友人であったが」とわざわざ言及していることや、ふたりの距離感描写から考えて、本編でも大差ない人間関係だと想像できます。

 もし、シャアがザビ家への復讐より、ガルマとの友情を重視し、裏切らなかったらどうなっていたでしょうか。この場合、シャアはガルマにホワイトベースが奇襲を狙っていることを通報したことでしょう。ホワイトベースはドーム球場に隠れていました。

 余談ですが、全長262m、全高93mとも言われるホワイトベースが隠れていたのは、ドーム球場ではない可能性も高いです。東京ドームの場合、ホームベースからセンターまで120m、グラウンドから天井まで61.69mなので、ホワイトベースの収納は不可能です。

 ちなみに『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』マンガ版では、宇宙世紀0069年に建設された、世界最大の屋内展示場「シェル・ドーム」とされており、奥行250m、幅140m、天井高さ70mとされています。『THE ORIGIN』のホワイトベースは、艦橋を降下収納し、主翼を折りたたんでドームに入っていました。

 ホワイトベースが、このような大型ドームに隠れていたということは「作戦が発覚した場合、簡単には身動きが取れない」ということです。ホワイトベースの位置が判明していれば、モビルスーツ隊で出入り口を塞ぎ、ガウ攻撃空母から爆撃やメガ粒子砲で砲撃できます。ここで、ホワイトベースは撃沈されていたでしょう。

 ホワイトベースを撃沈されたら、ガンダムなどが無事でも戦闘を継続できませんから、降伏せざるを得ません。とはいえ、宇宙世紀0079年9月下旬の時点で、ジオン軍がガンダムを入手しても、10月に先行量産型ゲルググが生産開始されますから、その部分では歴史への影響はあまりないと考えられます。

 ガルマが生存したことは、歴史に大きな影響があるはずです。連邦軍の「V作戦」を撃破したことは、大きな殊勲として扱われるでしょうから、ガルマの発言力は上がります。イセリナとの結婚も認められるでしょう。

 人事にも大きな影響があります。シャアは「ガルマを守れなかった」という理由で左遷されましたが、左遷されず、ドズル配下のままです。ランバ・ラル隊は「ガルマの仇討ち」として派遣された部隊ですので、これも派遣されません。黒い三連星も「ランバがホワイトベースを沈められなかったから」派遣された戦力ですので、喪失しません。

 シャアのおかげで命拾いしたガルマは、深く感謝し、兄のドズルと交渉して、シャアを配下に迎えることでしょう。そして、ドズルや姉のキシリアと交渉して、戦力を集結させ、支配下にある北米から、南米ジャブローへの攻略作戦を行おうとすると考えられます。

 この時期の地球連邦軍は、制宙権がありませんので、ガルマ軍への増援は防げません。劇中では11月7日より、地球連邦はオデッサ作戦でジオンを地球から叩きだそうとするのですが、対ジャブローで戦力集結があった場合、延期される可能性もあります。

 0079年10~11月上旬までのジオン側は、地下要塞であるジャブローの出入口を見つけていません。ジャブロー攻撃は正攻法ではなく、南極条約違反の水爆ミサイル、あるいは無人となったサイドから調達したスペースコロニーによる、コロニー落としで行われる可能性も考えられます。

 オデッサ作戦が開始されて、わずか2日で不利となったジオンは核兵器を使用しようとし、ガンダムに止められていますので、ジオンの条約順守意識は微妙です。ジャブローを落とせば勝利というタイミングなら、条約違反兵器でも使用するかもしれません。

 この場合、ジャブロー攻略作戦が成功すればジオンの勝利で一年戦争は終わります。

 ジャブロー攻略作戦が阻止されたなら、ジオン側は地球上の戦力を大きく失い、その後のオデッサ作戦で大打撃を受けます(ただし、ジオンは水爆を使用し、連邦も「南極条約は破棄された」として核兵器で応戦することで、両軍とも大打撃を受ける可能性はかなりあります。アムロとガンダムがいない世界線なので、ジオン側の核使用を事前に防げるかと言えば、難しいと思います)。

 結果、ジャブロー付近の制宙権を確保できれば、地球連邦軍宇宙艦隊による、反撃作戦が始まるでしょう。劇中では、ザビ家兄妹の不仲もあり、ドズルは単独で連邦軍と戦うことになります。しかし、ガルマが生存している場合は、ドズルとは兄弟仲がよく、父のデギン公王や、兄のギレン総帥に「ソロモンへの救援」を強硬に要求したと考えられます。

 デギンはガルマを溺愛していますから、これを聞き入れ、ギレンやキシリアに「ドズル救援」を要求したと考えられます。充分な戦力がソロモンに存在した場合(シャアやランバ・ラルの部隊もソロモンに配備される可能性が高いです)、劇中で連邦軍が行った「陽動部隊でジオンの注意を引きつけている間に、ソーラ・システムを準備する」ことができず、ソーラ・システムの展開に失敗した可能性もあるでしょう。

 この場合、ソロモン攻略戦の勝敗は逆転し、一年戦争は泥沼化したとも考えられます。

 このような「歴史解釈」も『機動戦士ガンダム』の楽しみ方。皆様はどう思われますか。

(安藤昌季)

【画像】通常版との違いに注目!「ガルマ専用ザクII」を見る(4枚)

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