「好き嫌い」分かれた暴力系アニメヒロインたち 「原作改変」でより嫌われた?
暴力系ヒロインは、かつてはマンガやアニメに登場するメジャーなキャラ属性であり、時代を代表する人気ヒロインも多数存在しました。ですが、最近の作品ではめっきり減った感もあり、理不尽な暴れっぷりもあって、今でもアニメファンの評価は賛否両論です。今回は、可愛いのにイラっとさせるような、時代を彩った暴力系ヒロインたちをご紹介します。
ツンデレ系、ツッコミ系、反射系…多彩な暴力ヒロイン!
日本のマンガ・アニメにおけるヒロインの代表的な属性として、時にツッコミ役として暴力をふるったり、時に照れ隠しのような形で愛情を拳に乗せて表現してきたのが、暴力系ヒロインです。
ギャグ的な表現という側面はあるにせよ、時としてあまりにも理不尽な理由で暴力をふるうため、アニメファンにとって必ずしも好ましい属性とは言えないようです。
今回は、今では希少な存在となってしまった往年の暴力系ヒロインたちをご紹介します。
●天道あかね『らんま1/2』
80年代を代表する暴力系ヒロインのひとりが、1989年から放送されたラブコメアニメ『らんま1/2』のメインヒロイン・天道あかねです。
主人公・早乙女乱馬の許嫁ですが、乱馬がからかってきたり、他のヒロインと仲良くしたりするので、暴力で応えることもしばしば。ヤキモチ焼きなツンデレキャラの一種であり、原作マンガでは物語が後半へ進むにつれてデレデレな面も多く見られたため、その変化に魅力を感じたファンも多いです。
一方、あかねの暴力に耐えかねた人が、らんまにデレデレなシャンプーの熱烈なファンになったという見方もあるようです。また、マンガ版とアニメ版でキャラの味付けが異なり、マンガ版ではあまり理不尽な暴力をふるわない印象があるため、アニメ版しか知らない方は原作マンガのあかねを知って驚くかもしれません。
●槇村香『シティーハンター』
1987年から放送されたアクションアニメ『シティーハンター』のメインヒロイン・槇村香も暴力系ヒロインのひとりです。
主人公・冴羽獠はとにかく女性好きで、依頼人の女性キャラにはすぐ手を出しますが、そんな「もっこり」な彼を止めるため、巨大ハンマーに代表される武器類で制裁&ツッコミを入れるのがお約束です。
お仕置き系のボーイッシュな暴力ヒロインとして活躍しますが、次第にリョウへの恋心が募っていき……。ただ暴力的なツッコミ役を担うだけでなく、時々クローズアップされる女性的な一面も魅力と言えるでしょう。
●逢坂大河『とらドラ!』
2008年から放送されたラブコメアニメ『とらドラ!』のメインヒロインとして登場し、小さく凶暴なことから「手乗りタイガー」のあだ名で親しまれたのが逢坂大河。
小柄な可愛らしいルックスと、演じた釘宮理恵さんの演技も相まって、ツンデレ系ヒロインとしても人気です。
が、その中身は短気・自己中・暴力的と強烈な負の要素を備えているため、苦手としたアニメファンも……。攻撃的な性格の根源は大河の過去に理由があるのですが、実は寂しがり屋で弱メンタル、そしてドジっ子と言うギャップもまた良し。照れ隠しの暴力という部分もひっくるめて愛らしいと感じたファンは多いです。
●伊波まひる『WORKING!!』
2010年から放送されたラブコメアニメ『WORKING!!』のヒロインとして登場したのが、伊波まひるです。
彼女が暴力系ヒロインとして変わり種だったのは、男性が苦手過ぎて反射的に殴り倒してしまう男性恐怖症であったこと。普段は内気で優しい女の子ですが、同空間に男性がいると誰彼構わず殴りたくなる……という危険極まりない習性で恐れられました。
ただ、そんな彼女も主人公・小鳥遊宗太との関係を巡って次第に変化していきます。ただの暴力ヒロインから、「ボコデレ」と称された変わった属性持ちの恋するヒロインへと進化します。彼女が担ったギャグと恋愛面は、同作の見どころのひとつとなりました。
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