悪役より汚い! 少年マンガの「邪道」主人公たち 「でも人気1位」
少年マンガの主人公たちは、けして「友情・努力・勝利」を信じる真っすぐな人物ばかりではありません。今回は、少年マンガらしくない「邪道」な主人公たちを振り返ります。
絆、友情、正義感、熱血の主人公ばかりではない
少年マンガの主人公といえば、どのようなキャラクターを思い浮かべるでしょうか? 例えば世界的なヒット作『ONE PIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィです。
強きを倒し、弱きを守り、友情と絆を全力で肯定する……多くの人がイメージする少年マンガの主人公像として、ルフィはそれそのもののキャラクターと言ってもいいのではないでしょうか? また、ルフィはキャラクター世界人気投票まで含め、人気投票「7連覇」を達成している超人気キャラクターでもあります。
それに対し、「週刊少年ジャンプ」の最長寿連載記録を誇る『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公、両津勘吉は「真逆」と言っていいキャラクターです。一応は警察官ですが、ギャンブルが趣味で、欲望に忠実で、金の匂いがするものにはすぐ飛びついてビジネスを始める守銭奴で、さらに酒豪。
10代、20代前半が多い少年マンガにあって、両さんは三十路を過ぎたおじさんという点もあり、まさに王道とは程遠いキャラでした。しかし、両さんは2度行われた人気投票で両方1位。しかも、2位以下に10倍以上の大差をつける得票数で、ぶっちぎりの1位を獲得しています。
今回は、両さんのような少年マンガの非王道的(邪道)な主人公を、人気投票結果とともに紹介します。
●『DEATH NOTE』夜神月
夜神月(やがみ・ライト)は、名前を書かれた者を葬る「デスノート」を手に入れた高校生です。ほとんどためらいなく、凶悪犯罪者の名前を書きまくって大量殺戮しただけでなく、自身の実が危ういと感じると、悪人ではないLやFBI捜査官まで葬っていくなど、極悪ぶりもどんどん加速していました。
『DEATH NOTE』は公式人気投票が実施されていませんが、ファンサイトの結果を見ると、Lに人気が集まっているようです。最後は敗北し、みっともなくあがきながら死んでいった、典型的な「邪道」主人公でした。
●『魔人探偵脳噛ネウロ』脳噛ネウロ
脳噛ネウロは、『魔人探偵脳噛ネウロ』の主人公で、人間ではなく魔界から地上にやって来た、「謎」を食べる魔人です。
魔人と名乗るとおり、悪魔的な頭脳と、「核爆弾が投下されても死なない」と豪語する怪物的肉体の持ち主です。性格に関しては、暇さえあれば協力者の桂木弥子や吾代忍を相手に、多種多様なサド行為を働く真性のドS外道で、彼らのことを「奴隷」「道具」とみなしています。
王道ではないキャラですが作中随一の人気キャラでもあり、公式人気投票で3連覇を達成しています。彼の隣でフルボッコにされながら、どんどん成長していく実質的主人公・弥子との関係性も、人気を集めました。
●『銀魂』坂田銀時
坂田銀時は、『銀魂』の主人公で、「万事屋銀ちゃん」を営む何でも屋です。すぐにパチンコに行く、泥酔して粗相をかます、甘いものがやめられず糖尿気味……など、だらしない行動が目立ち、目が死んでいるダウナーキャラでした。27歳と少年マンガの主人公にしては高齢で、彼もまた王道パターンには当てはまらない男です。
毒舌家で、金にも汚い人物でしたが、情に厚い一面もあり、また無類の戦闘力で、かつては「白夜叉」と恐れられていた志士でした。「やるときはやる男」として、作中では随一の人気キャラです。公式人気投票ではルフィに次ぐ、「6連覇」を達成しています。