2023年のスーパー戦隊は史上初の「昆虫」モチーフ 原点は『ゴレンジャー』以前にあった?
ついに2023年の登場が発表された『王様戦隊キングオージャー』。戦隊初となる「王様」と「昆虫」がモチーフです。しかし、初となるのはモチーフだけではありません。他にも初となることがありました。
これまで戦隊で「昆虫」が避けられてきた最大の理由
2023年3月5日から放送開始されることが発表されたスーパー戦隊シリーズ第47作『王様戦隊キングオージャー』。その新しさと懐かしさを感じさせるモチーフに、早くも往年のファンから子供たちまで話題沸騰中です。
『王様戦隊キングオージャー』のモチーフはタイトルからもわかる通り、「王様」、「キング」、「王者」でしょう。三段重ねのネーミングが印象的です。そして、もうひとつのモチーフが「昆虫」。こちらはヒーロー名や巨大ロボに合体する昆虫型機械生命体「シュゴッド」に使われていました。
ともに、戦隊史上初となるモチーフです。しかし王様は使いづらいのでわかりますが、どうして他の作品でも頻繁に使われる「昆虫」というモチーフが、戦隊の長い歴史のなかで今まで使われなかったのでしょうか? それには第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』の企画以前まで話が戻ります。
もともと『ゴレンジャー』は、『仮面ライダーストロンガー』のボツになった企画『5人ライダー』から生まれたものでした。このため、一部の古参ファンから『キングオージャー』を「先祖返り」と表現する人もいます。
そういった経緯がありますが、戦隊が昆虫モチーフを避けていたのは、この『仮面ライダー』とモチーフで被ることを避けていたところもありました。しかし、平成になったころから『仮面ライダー』で昆虫モチーフが少なくなり、現在放送中の『仮面ライダーギーツ』では、動物モチーフであるものの昆虫はどうやら登場しそうにありません。
他にも昆虫モチーフが避けられていたのは、海外でのセールスを意識していたとも言われています。海外では昆虫は弱者や悪者というイメージを持っていることが多く、ヒーローのモチーフにふさわしくないと言われていました。もちろん前述の『仮面ライダー』をはじめ、昆虫ヒーローは少なくなく、絶対的に不利とは言えませんが、戦隊では避けていたのは間違いありません。そうでなければ47年近くも使っていないわけがないからです。
とはいえ、実は戦隊シリーズで昆虫モチーフの戦士は初めてではありません。第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場するライバル戦隊「電光石火ゴウライジャー」のふたり、カブトライジャーとクワガライジャーという、カブトムシとクワガタをモチーフにした戦士がいました。
しかし、あくまでもメインの戦隊ではないことから、今回の『キングオージャー』が初の昆虫戦隊ということになるわけです。
さらにもうひとつ、『キングオージャー』には戦隊で初のポイントがありました。