『るろ剣』の「新選組」キャラは斎藤だけじゃない? 北海道編でも続々登場
2023年にアニメ化されることも話題の『るろうに剣心』には、幕末から明治に切り替わる年代に活躍した「実在の人物」が多く登場します。なかでも人気なのは、斎藤一を中心とした新選組の隊士です。そこで、『るろうに剣心』で描かれた新選組の隊士や、モデルになったキャラを紹介します。
『るろうに剣心』に登場する新選組隊士は超剣豪揃い?
2023年に再アニメ化されることが発表された『るろうに剣心』(原作:和月伸宏)では、幕末、明治の実在の人物も何人か描かれており、特に斎藤一を中心とした「新選組(作中では『新撰組』表記)」にまつわるキャラが人気です。今回は、『るろうに剣心』に登場した新選組隊士や、新選組の人物がモデルとなったキャラを振り返ります。
●「北海道編」でも活躍、幕末を生き抜いた元新選組隊士
・「悪・即・斬」の信念を貫く、斎藤一
斎藤一は元新選組の三番隊組長で、剣心の宿敵でもあります。剣の腕は新選組でも三指に入るという斎藤は、本編で警官(明治後は藤田五郎と改名)として登場し、剣心とは仲間として行動します。「悪・即・斬」の信念と、必殺技「牙突」で数々の強敵を破ってきました。
「北海道編」では年齢もアラフォーになっており、敵組織「劍客兵器」の凍座白也(いてくら・びゃくや)に「牙突」を素手で止められ、腕を骨折させられましたが、一歩も引かずに凍座を捕縛しています。
斎藤は史実だと、伊東甲子太郎が思想の違いから新選組を離脱し、「御陵衛士」を結成すると、これに与しています。実際は、新選組側のスパイとして、情報を流していたようです。
新選組に復帰後は戊辰戦争に参加し、終結すると、明治7年(1874年)から警視庁に勤務。退職後は東京高等師範学校附属東京教育博物館の看守、また同校の撃剣師範を務めて学生に撃剣を教え、1915年に71歳で亡くなりました。
・新選組最強のひとり、永倉新八
「北海道編」から登場した永倉新八は、元新選組二番隊組長です。自身を明治政府の「狗(いぬ)」と自嘲し、「悪・即・斬はしないよ」と言ってはばからない明るくファニーな人物。しかし、瀬田宗次郎と対峙したときには、彼の天剣や「縮地」(手加減ではあるものの)を軽々とさばく剣の腕を見せました。
史実の永倉は、剣客ぞろいの新選組のなかでも随一の腕といわれ、池田屋事件では負傷しながらも大活躍し、伝説的な働きをしたそうです。鳥羽・伏見の戦いにも参加しますが、のちに近藤勇たちと袂を分かち、晩年は樺戸集治監(刑務所)の看守の剣術師範を務めていました。同じく明治の北海道が舞台のマンガ『ゴールデンカムイ』にも登場し、老体ながら衰えぬ剣術を見せています。
・りんごを常にかじっている、阿部十郎
「北海道編」から登場する阿部十郎は、札幌で劍客兵器による政府要人の暗殺が次々起こり、下手人を捕まえるため県庁側が囮(おとり)として出してきた人物です。元新選組で、後に御陵衛士となった阿部は、局長・近藤を狙撃したひとりとも言われています。阿部は因縁浅からぬ斎藤と永倉に護衛をされながら囮となり、雹辺双(ひょうべ・ふたつ)相手に、リボルバーと近接格闘で交戦しました。
史実の阿部は、新選組との方針の違いで脱走。その後、伊東甲子太郎が入隊すると復隊しますが、伊東が御陵衛士を結成すると、これに伴い新選組を再び離脱します。伊東が暗殺された「油小路事件」当日は、鷹狩り中で現場にいませんでした。後に、札幌で果樹園を経営し、りんごの品種改良などで成功したそうです。