ゲームブックは死なず! ソシャゲ氾濫の今、マニアが語るその「本質」とは
ゲームブックは1980年代に少年たちの間で大ブームになりましたが、ソーシャルゲームなどの氾濫で近年、影を潜めています。そんななかゲームブックが持つ魅力を改めて取材しました。
ブームから30年、その魅力とは
1980年代に主に少年たちの間で大ブームになったゲームブック。各パラグラフの選択肢によって、ストーリーや結末がさまざま変化する――。そんな当時のドキドキ感を思い出す大人も多いのではないでしょうか。

そんなゲームブックですが、紙に印刷された本のほか、電子書籍やスマホアプリなどさまざまな形態に分かれ、ブームから30年以上経過した現在でも現役です。
そもそもゲームブックの持つ独自の魅力とは何でしょうか。取材しました。
ゲームブックは「芸術や音楽と並ぶコンテンツ」
「ゲームブックは人生をシミュレートできるコンテンツです。人生は選択の連続。ですから、私はゲームブックを『読者が選択し続ける物語』と捉えています」
こう話すのは、ゲームブック投稿サイト「GameBook.xyz」を運営し、自らもゲームブック作家として活動する代々木丈太郎(じょうたろう)さんです。代々木さんはゲームブックと人生を重ね合わせながら、次のように続けます。

「人生は迷ったり、後悔したりすることがあります。でも試行錯誤するうちに目的にたどり着く。その達成感や喜びは特別です。(ゲームブックの良いところは)本物の人生と違って、選択肢を間違って選んだり、ゲームオーバーになったりしたら、やり直せるということです。
ですから、ゲームブックをプレイすれば、人生のあらゆる場面において、より良い選択肢を選ぼうという意識が芽生えるのではないでしょうか。例えば、ブラック企業に勤めていて、身も心も傷つき続けるくらいなら、退職したり、転職したり、起業したりしようという考えになるわけです。そのような点からも、私はゲームブックが芸術や音楽、文学、マンガ、絵画と並ぶコンテンツだと考えています」