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『仮面ライダー』偽ヒーロー「ショッカーライダー」がただの偽物ではなかった理由とは?

半世紀前の今日、TVで衝撃のデビューを果たしたショッカーライダー。仮面ライダーとまったく同じ姿を持った悪のヒーローの姿に、当時の子供は衝撃を受けました。元祖ダークライダーの魅力について考えてみましょう。

仮面ライダーにそっくりな姿にちびっ子驚愕!

オリジナルとは違う、黄色いカラーリングが特徴のショッカーライダー。画像は「東映ヒーローネット限定 S.H.Figuarts ショッカーライダー」(BANDAI)
オリジナルとは違う、黄色いカラーリングが特徴のショッカーライダー。画像は「東映ヒーローネット限定 S.H.Figuarts ショッカーライダー」(BANDAI)

 本日12月30日は半世紀前の1972年に、『仮面ライダー』第92話「兇悪!にせ仮面ライダー」が放送された日。このエピソードでは、仮面ライダーとそっくりなショッカーライダーが登場します。

 ショッカーライダーの姿は筆者をはじめとする当時の子供たちにはインパクト絶大で、しかもひとりではなく6人も登場したことから引き込まれるようにTVへと釘付けにされました。今でもあのワクワク感は健在で、見るたびにオチがわかっていても興奮してしまいます。それほどの衝撃的な展開でした。

 ショッカーライダーは仮面ライダーとそっくりの姿をしています。しかし、本物とは異なり手袋とブーツは黄色、マフラーも色が異なり、目の周りは黒く縁取られていました。視聴者の子供にも容易に見分けがつくように工夫されたというわけです。

 ところが後年、当時はまだ白黒TVで本物と偽物の見分けが出来なかったという声もありました。カラーリングでの識別は、確かにカラーTV前提だったかもしれません。この当時はまだ白黒TVが現役だった家庭もありました。そう考えると、雑誌などのカラー写真が貴重だった時代でもあります。

 余談ですが、初めに登場したショッカーライダー1号は、マフラーも手袋とブーツと同じく黄色でした。これは『ウルトラマン』でザラブ星人が化けたにせウルトラマンの目が吊り上がっているというポイントと同じように、後にいくつかの作品でオマージュやパロディとして、偽物の定番アイテムとして使われています。

 しかし、どうして手袋とブーツが黄色だったのでしょうか? 推測になりますが、もっとも多く使える手袋とブーツが黄色だったからだと考えられるでしょう。それはゲルショッカー戦闘員と同じものだからです。いちいち塗り替えなくても流用できるからでしょう。

 この仮説の根拠にショッカーライダーの人数があります。ショッカーライダーが6人なのは、撮影に使用できる仮面ライダーのコスチュームが最大で8個だったからでした。つまり本物の1号と2号を抜いて6人までしかショッカーライダーは出せなかったというわけです。

 この人数については本作のプロデューサーだった平山亨さんから聞いたお話ですが、手袋とブーツの色に関しては「忘れちゃった」とおっしゃっていました。

 ちなみに人数に関して漫画家の長谷川裕一先生の考察を聞いたことがあります。それは仮面ライダーの製造には3か月かかるという説でした。手術時間だけでなく、改造する人間の選定や装置の確保、スタッフの手配といった諸々の準備期間です。そう考えると、1号から2号誕生まで3か月。以降、ショッカーライダー1号を3か月後に作ると、6号誕生がちょうどショッカーライダー全員登場のタイミングにあたります。

 また、6人のショッカーライダーをそろえたのも、「攻撃三倍の法則」という攻撃には三倍の兵力が有効という軍事的な考え方があるそうで、確実にダブルライダーを葬るためにショッカー時代から用意周到に練られた作戦だったのでしょう。

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