『ワンピース』尾田先生が忘れていなければ! 「海戦少なすぎ問題」がついに決着?
海賊たちの冒険を描く『ONE PIECE(ワンピース)』。作中では海賊を描いているにも関わらず、海での戦いがほとんど描かれていません。どうしてそこまで少ないのか、いままでの海戦とともに振り返ります。
数少ない海戦、いくつ思い浮かぶ?
『ONE PIECE(ワンピース)』は、ルフィたち海賊の一味が冒険をする物語で、日本のみならず、世界中に数多くのファンがいる大人気作品です。しかし、海賊がメインのお話でありながら、海での戦いが少なすぎる、という意見が浮上してきました。
※この記事には単行本未収録の内容を含みます。
確かに、いままでの海戦を振り返ってみると「東の海編」でのクリークとの戦いや、アーロンパークなど初期のストーリーしか思い浮かびません。あまりの海戦の少なさに、『ONE PIECE』ファンからは「本編よりもアニメのオープニングの方が海戦してる(笑)」「いっそ空賊のがよかったのでは?」という声もあがるほどです。
最近のエピソードで言えば、「万国編」のビッグマムに海上で追いかけ回されるシーン。そして、最終章突入後に少しだけ描かれた、ハートの海賊団と黒ひげ海賊団の戦いくらいでしょう。「悪魔の実」の能力者が少なく、海戦を得意としていることからとうとう海戦が見られるのか?」と期待が高まったものの、残念ながら2話程度しか描かれませんでした。
そもそも海賊の物語でありながら海戦があまり描かれないのは「悪魔の実」の設定がかなり影響しているはずです。「悪魔の実」を食べた人物は海から嫌われてしまい、カナヅチになってしまいます。しかし、『ONE PIECE』では「悪魔の実」の能力者同士の戦いが魅力のひとつでもあります。
そして、強敵として描かれる人物の多くは「悪魔の実」の能力を使って戦います。「悪魔の実」の能力者たちは海での戦いが圧倒的不利になってしまうため、必然的に海ではなく陸での戦いが多くなってしまい、描かれる機会が極端に少ないのだと考えられます。
「いざ海戦を描く!」となっても砲弾を打ったり、相手の船上で戦ったりするため、陸戦とはあまり変わらないのかもしれません。「それなら、そもそも海賊ではなく冒険家や山賊などではだめだったのか?」という考えの読者もいるようです。
数年前のインタビューの記事中で尾田栄一郎先生が「忘れていなければ『海賊らしさ』を描こうかな、と思っています。本来は海賊なのに気づいたら陸地で戦っているのが『ONE PIECE』ですから」と、コメントしています。この言葉通り、尾田先生が忘れていなければ、迫力満点の海戦が見られる日が来るのかもしれません。
(マグミクス編集部)