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懐かしの記憶媒体「カセットテープ」 アニメ本編を録音して「音だけ」楽しんだ人もいた?

1970年代から80年代、音楽の記録再生媒体と言えば「カセットテープ」が主流でした。安価で扱いやすく、何度も上書きできるなど利便性も高く、当時はアニメのオープニングやエンディングはもちろん、本編を録音して擦り切れるまで聞いていた方もおられました。

カセットテープには思い出がいっぱい

懐かしい「カセットテープ」のイメージ(画像:写真AC)
懐かしい「カセットテープ」のイメージ(画像:写真AC)

 いま40代以上の方は、おそらく人類史上で最も多くの音楽記録媒体を使用してきた世代ではないでしょうか。CDやMD、カセットテープやレコード、そしてソノシートで音楽を楽しんだ記憶をお持ちの方も多いでしょう。音楽がデジタル化されパソコンやスマホで楽しめるようになってからも、味のある音が忘れられず、部屋にレコードプレイヤーを置いている方もおられます。まさかレコードより先にCDの方が消滅危機に陥るとは思いませんでしたが……。

 これらのなかでも、多くの人の心のなかに思い出を刻み込んだのがカセットテープです。テープ状のフィルムに磁性体を塗りつけ、磁化の変化により音楽の記録と再生を可能にした魔法のアイテムでした。安くて簡単に扱えることもあり、大人から子供まで広い世代が親しんでいました。

 特にカセットテープが優れていたのは、小型な割には比較的頑丈なプラスチックケースに収められていたため壊れにくかったのと、上書き記録を何度も繰り返せたことでしょう。もっとも、子供がいたずらで内部のテープを引き出してしまう事故はなかなか避けられませんでした。当時は筆者も何度かやらかして怒られたものです。

 今では考えられないかもしれませんが、1980年代前半はまだビデオデッキはそれほど普及率が高くなかったため、TVアニメを「録音」して何度も楽しもうとした人も大勢いました。

 筆者がかつて仕えた上司は『機動戦士ガンダム』を録音し、何度も繰り返し聞き続けたためにほぼすべての台詞を丸暗記していたほどです。筆者も『魔法の天使 クリィミーマミ』のオープニングを録音し、テープが擦り切れるまで聞いた記憶があります。

 現代のようにコンテンツが無限に供給される時代ではなかったので、ひとつ優れたコンテンツに出会ったら、スルメのようにしゃぶりつくす。そういう時代でした。TVの前にラジカセをセットし、声や音が入らないようじっと黙ってアニメを見ていたら、家族が帰ってきて声が入ってしまった……そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

【画像】懐かしい! ナムコ、セガ、コナミの「ゲーム音楽」カセットテープたち(6枚)

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