懐かしの記憶媒体「カセットテープ」 アニメ本編を録音して「音だけ」楽しんだ人もいた?
カセットテープで「ゲーム」もできた

カセットテープの記録・再生を行う機材も、今では懐かしいものとなりました。初めて家にラジカセが来た日のことはよく覚えています。TVで竹の子族が肩に担いでいたような、武骨で鈍い銀色に輝くラジカセは、子供だった自分が初めて自分の手で動かした機械だったのです。初めてステレオが家に来た日、初めてウォークマンを手にした日……どれも大切な思い出です。
カセットにまつわる記憶はたくさんあるのですが、人生で最初に大きなショックを受けたのは、親にねだって買ってもらったアニメソング集から、知らない歌声が流れて来たことでしょうか。当時はオリジナルの歌手ではない別人の歌が収められたカセットテープが販売されていたのです。やはり今では信じられない話ですが、それ1本しかカセットを持っていなかったので延々と聞き続けていたものです。
後にファミコン版『アテナ』を購入した際には『サイコソルジャー』のテーマソングなどを収めたカセットテープが付録としてついており、これも擦り切れるまで聞いていました。
また、友人の家で見せてもらったパソコンゲームのデータがカセットに記録されていたことにも驚かされました。当時はカセットテープには「音楽しか記録できない」と思い込んでいたのです。
そのとき見せてもらったゲームは確かMSXの『レリクス』というタイトルでしたが、データの読み込みにはかなり時間がかかっていたことをよく覚えています。
そんなカセットテープですが、1980年代後半あたりからCDに、その後はMDに押されて徐々に存在感は減少。2000年ごろにはあまり使われなくなりました。それでも年配の方を中心に今でも使われており、100均の店に置かれていることも珍しくはありません。
少々音質は悪かったため、少しでも良くしようとクロムテープやメタルテープを手にしたものの、ノーマルのテープとの価格差にひるんでしまい、結局いつものテープを買ってしまった……お金のない学生時代にはそんなこともありました。さまざまな思い出とともに、カセットテープは今も密やかに生き続けているのです。
(早川清一朗)




