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バトル漫画なのにずっと戦っていないキャラの謎 「実力インフレのせい?」

バトルマンガは、当然ながら登場人物の戦いを中心に物語が展開されます。しかし、連載が続き、長編マンガと呼ばれる作品のなかには、新キャラの登場や物語の展開の都合で、戦いから遠ざかってしまうキャラも出てくるのです。

初期からいるのに? もっとバトルでの活躍を見せて欲しい!

「CREATOR×CREATOR ワンピース ジュラキュール・ミホーク 高さ約20cm フィギュア」(バンプレスト)
「CREATOR×CREATOR ワンピース ジュラキュール・ミホーク 高さ約20cm フィギュア」(バンプレスト)

 バトルマンガの長編作品のなかには、強いのになかなかバトルをさせてもらえないキャラが登場します。実力や才能を認められているのに、現実の時間ではもう10~20年以上戦いから遠ざかっているキャラもおり、読者からバトルでの活躍を熱望されています。

※この記事では『『ONE PIECE』の単行本未収録、未アニメ化の内容を含みます。ご了承の上お読みください。

●「鷹の目」のミホーク『ONE PIECE』

『ONE PIECEで、長い間全力で戦わせてもらえていないキャラと言えば、世界一の大剣豪である、ジュラキュール・ミホークが挙げられます。「東の海(イーストブルー)編」で登場し、ゾロに世界一の強さを見せつけたミホークですが、王下七武海としてマリンフォード頂上戦争にて、白ひげ海賊団の「花剣のビスタ」と戦って以降は、本格的なバトル描写がありません。「強すぎてまともに戦えるキャラがほとんどいないからでは」とも、言われています。

 現在連載中の「最終章」では、王下七武海制度が撤廃された後のミホークは、海軍の将兵に懸賞金をかける組織「クロス・ギルド」に参加して海賊に戻り、形式上はバギーの部下になっています。ルフィとバギーも、「東の海(イーストブルー)編」からの因縁を抱えているため、そのうちミホークとゾロの世界一の大剣豪をかけた再戦も描かれるのではないか、と予想されているようです。

 初登場から単行本100巻近くを経て、ようやく実現されそうな本気のミホークvsゾロに関して、読者の間では、どんな戦いになるのか期待が膨らんでいます。一度は師弟関係にもなっているふたりのため、前とは違うバトル、やり取りも期待できるでしょう。また、かつてのライバル・シャンクスとの戦いもあるかもしれません。まだ実力の全貌が不明なミホークは、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか。

●鎬兄弟『刃牙』シリーズ

 人気格闘マンガ『刃牙』シリーズにおいては、第1部『グラップラー刃牙』の「最大トーナメント編」で活躍した闘技者の一部は、その後のシリーズでも「地下闘技場戦士」として、死刑囚やピクル、宮本武蔵ら、強敵と戦いを繰り広げています。しかし、最大トーナメントに参加した鎬紅葉は、トーナメント初戦で弟の鎬昂昇に敗れてから、現実の時間軸で20年以上、バトルをさせてもらっていないのです。

 紅葉は闘技者であると同時に世界的名医でもあるため、他の武術家たちの傷の治療をしたり、ジャック・ハンマーの骨延長手術に協力したりと、医師としての活躍はたびたび描かれてきました。しかし、ヘヴィ級ボクサーの瞬発力、スプリンターの機動性、アマチュアレスリングの柔軟性、マラソンランナーの持久性を兼ね備えた完璧な肉体を持ち、解剖学をベースにした人体破壊の技を使うなど、闘技者としても多くの強みを持つ紅葉だけに、バトル面での活躍もまだ期待はできそうです。

 また、紅葉ほどではありませんが、弟の昂昇もバトルから遠ざかっています。空手家であり、手刀や足刀での斬撃を操る「斬撃拳」の使い手である昂昇は、指で神経を切断する「紐切り」を使い、相手の視力や手足を動かす機能を奪うこともできます。そんな個性的な技を操る昂昇ですが、第2部『バキ』での、最凶死刑囚のヘクター・ドイルとの戦いの後は、修行の日々は描かれたものの、その成果を発揮する場は与えられていません。

『刃牙』シリーズでは、愚地克巳や本部以蔵など、それほど注目されていなかったキャラにスポットが当たり、予期せぬ活躍を見せることがあります。数々の強敵が登場し、「強さのインフレ」が起きてはいますが、鎬兄弟はふたりとも「人体の構造」を利用した技が出せるので、相手がどんな強者であろうと、攻撃が決まりさえすればいい勝負ができるはずです。

●レオリオ=パラディナイト『HUNTER×HUNTER』

『HUNTER×HUNTER』の最初期に登場し、ハンター試験では、ゴン、キルア、クラピカとともに、主要メンバーとして活躍していたレオリオ。しかし、医者になるためにハンターを目指していた彼は、念能力の習得がゴンたちよりも遅れてしまい、ハンター試験以降はバトルから遠ざかっていました。

 しかし、ネテロ会長の死去後に行われた「会長選挙編」で、久しぶりに登場したレオリオは「放出系」の念能力を披露し、ゴンの父親であるジンから、「伸び代デケーぞ」と、ハンターとしての資質に太鼓判を押されています。さらに、ハンター協会の最高幹部集団である「十二支ん」の「亥」にスカウトされ、暗黒大陸に向かっていることも描かれました。

 念能力の代償で重体となったゴンのために、会長選挙に出馬したことで、改めてレオリオのファンになった読者も多く、2022年に連載が再開された、「暗黒大陸編」での活躍も期待されています。

(SU_BU)

【画像】よっぽどの強者じゃなきゃもう無理! ミホークが戦わせてもらえそうなキャラ(5枚)

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