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『君の名は。』『ラブプラス』ファン必読? 文化だけじゃない、「聖地巡礼」がもたらす新たなビジネスとは

アニメやマンガのファンが舞台となった土地などを訪れる「聖地巡礼」。その聖地巡礼を新しい視点で分析した本が発売され、話題になっています。

「聖地巡礼」を「消費行動」の視点から分析

大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』の聖地である須賀神社(画像:写真AC)
大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』の聖地である須賀神社(画像:写真AC)

 2018年12月4日(火)に発売された「アニメ産業レポート2018」(日本動画協会)によると、アニメ関連市場は初めて2兆円を突破し、2兆1527億円(前年比108%)となりました。主に底上げしたのは、米国や中国のインターネットプラットフォーマーへの作品販売(前年比129.6%)などで、今後も大きな市場拡大が期待されています。

 そんな同産業から近年生まれ、急拡大しているのが、アニメファンによる「聖地巡礼」です。聖地巡礼とは、熱心なファンが、アニメやマンガの舞台となった土地や建物などを聖地と称して訪れること。2018年12月8日(土)に発売された『巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代』(KADOKAWA)は、その聖地巡礼を「消費行動」の視点から、そのメリットとデメリットを分析した1冊となっています。

 著者で奈良県立大学准教授の岡本健さんに話を聞きました。

――本書を執筆されたきっかけについて教えてください。

 角川新書の編集部から『巡礼ビジネス』というタイトルの執筆を打診していただいたのがきっかけです。アニメファンの中には、聖地巡礼を『アニメを地域振興に利用している』と否定的な人も少なくありません。そうしたこともあって、タイトルに『ビジネス』と入っている点が気になるものの、結果的には、そういう人たちにこそ読んでいただきたい内容に仕上がりました。大切な文化を守るためにビジネス的観点をいかに活用するか、そこを重点的に書きました。

聖地巡礼の市場規模「潜在需要は相当」

――聖地巡礼というと、アニメのイメージが強いですね。

 聖地巡礼は『君の名は。』で有名になったこともあり、アニメの印象が強いですが、『巡礼ビジネス』では、アニメ以外の聖地巡礼にも触れています。例えば映画や小説、マンガ、ゲームといったメディアコンテンツはもちろんのこと、城や刀剣、島、地名、マンホール、ダム、工場、ツチノコ、ゾンビなど、さまざまな対象への巡礼を扱っています。

 本書で重要なのは『大切な場所』をいかに創り上げるかということです。聖地が誰かにとって大切な場所になれば、何度も訪れてもらえますし、友達や家族を誘って来てくれるかもしれません。SNSなどで宣伝してくれるかもしれません。そうなれば、国や地域を超え、同じ関心を持った人びとに巡礼してもらえます。

――聖地巡礼の市場規模は現在どのくらいで、今後どれだけの伸びを見せるのでしょうか。

 市場規模は試算していないのでわかりませんが、日本のコンテンツのファンは、日本国内はもちろん、海外にも数多くいます。つまり、潜在需要は相当な規模でしょう。(伸ばすためには)その人たちに『行ってみたい』と思わせるような取り組みが必要です。

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