作ったやつ性格悪すぎ! マンガの阿鼻叫喚なデスゲーム 勝っても「精神崩壊」
勝利すれば報酬が得られる一方で、敗北すると死を迎える危険な「デスゲーム」を描いた作品は、定期的にヒットし、人気を集めています。そのなかには、「絶対に巻き込まれたくない」と思うような、難易度やそもそもの設定が鬼畜のゲームも……?
考案者には人の心がないのでは?
近年、登場人物たちが失敗すれば情け容赦なく死に追いやられる、「デスゲーム」を描いた作品が注目を浴びています。
例えば、2021年にNetflixで配信された韓国ドラマ『イカゲーム』は、生活に困窮する人びとが大金を目指してデスゲームに挑むというリアルな社会を描き、早くもシーズン2の制作が決定するほどの大ヒットを記録しました。
そんなデスゲームを描いた作品のなかには、「参加者が圧倒的に不利」「参加者同士を争わせる」「絶対に誰かは死ぬ」など、主催者の嫌な性格が垣間見えるものも少なくありません。
●人間の本質は善意か悪意か? 『賭博堕天録カイジ 和也編』の友情確認ゲーム「救出」
ギャンブルマンガの金字塔「カイジ」シリーズ(作:福本伸行)には、数々の「悪魔的」ゲームが登場しました。なかでも特に参加者を追い詰めるのが、主人公・カイジの敵「帝愛グループ」の兵藤会長の次男・和也が考案した、「友情確認ゲーム『救出』」です。
カイジはそれまでの協力者に何度も裏切られた経験を持ちながらも、人の善意を信じていました。一方、和也は父親の威光によって周りから媚びた態度をとられ疑心暗鬼となり、友人だと信じていた相手にも裏切られたことから、人は裏切る悪意の塊だと主張します。和也は自分の論理が正しいと証明するため、借金を背負った社長・光山と、彼を慕うふたりのアジア人、チャンとマリオを「友情確認ゲーム」に参加させるのです。
「友情確認ゲーム」は、参加者が特殊なヘルメットを装着して、階段状になっている座席に座り、ルーレットで選ばれたひとりの「救出者」が「ベルト解除ボタン」を押した後、制限時間1分以内に前方にある「救出ボタン」を押すことで、残りふたりの「人質」を助けるという内容のゲームです。最初の30秒以内にボタンを押すと全員が助かるものの失格で賞金没収、さらにもし制限時間1分をオーバーした場合、救出者以外がボタンを押した場合は、ヘルメットが圧縮されて人質ふたりの頭が粉砕されてしまいます。
ヘルメットには大音量の音楽が流れているため会話はできず、参加者たちは自分が救出者なのか推理し、体感で決められた時間内に冷静に行動できるのか試されることとなります。失敗すれば死亡ですが、回を重ねるごとに賭けた金額は倍増し、光山たちの場合は16回のゲームを無事終了できれば、3人で1億円を獲得できることになっていました。
カイジの反対も聞かず、和也はゲームをスタートさせます。さらに、ただでさえ難易度が高いゲームの最中、和也は途中で光山のベルトを解除するボタンを故障させて降りられない状況を作り、チャンとマリオに「光山が裏切って、賞金を独り占めしようとしているのでは」と疑念を持たせるなど、妨害を始めるのです。
その後も賞金は積み上がり、「自分が救出者のときにボタンを押さなければ、ふたりは死ぬがその時点での賞金総取り」「他ふたりを信じていると殺されるかも」という状況で、3人は極限状態に追い込まれます。人の本質は善意なのか悪意なのか、和也とカイジの主張の結末はぜひ本編で確かめてください。