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「ガンプラ」から「萌えキャラ」までーープラモデル60年の歴史にみる”アニメ×プラモデル”の潮流変化

2010年代だから実現した"プラモデル新潮流"

 ただね、今回この10年のプラモデル事情を書くにあたって、ちょっと驚いたのは『艦隊これくしょん-艦これ-』や『ガール&パンツァー』、最近放送が始まった『荒野のコトブキ飛行隊』などのアニメによって、スケールモデルが活性化していることです。

 いわゆる”萌キャラ”のアニメですが、第二次世界大戦中の軍艦だとか飛行機だとか戦車を題材として扱っている。それでスケールキットが全く新しい層に売れているといいます。以前から出ていた戦車のキットを「ガルパン」でパッケージすると、売れる。これは、この10年間の特徴的な動きですね。”ミリタリー系萌キャラ”などと呼ばれているようです。

『荒野のコトブキ飛行隊』一式戦闘機 隼 一型 キリエ機 仕様 ©荒野のコトブキ飛行隊製作委員会(画像:ハセガワ)
『荒野のコトブキ飛行隊』一式戦闘機 隼 一型 キリエ機 仕様 ©荒野のコトブキ飛行隊製作委員会(画像:ハセガワ)

――いわゆるキャラクターキットと、ミリタリーキットの融合ということですね。

 そうですね。これはたぶん15年から20年くらい前だったら、できなかった作品かもしれません。というのは、当時は軍艦や飛行機に乗っていた戦争体験者が多くいて、「戦争はこんなものじゃない」とか、反発があったでしょう。これは今の時代だから可能になったといえるのはでないですか。

――プラモデルと言えば、男性の趣味というイメージがあります。

 タミヤは10年前から女性向けにスイーツデコレーションというシリーズを出しています。バンダイもこの4月から女の子向けの箱庭キット「ハコルーム」を出すそうです。

 女性で模型を作る”モケ女”と呼ばれる人たちもいて、できることなら、女の子を新しくマーケットに取り込んでいきたいとメーカーは思っているはずです。女の子向けの商品が出てきたのは、ここ10年くらいでしょう。プラモデルは圧倒的に男の子のおもちゃですけど、業界としては女の子も顧客にしたいと考えていると思います。

* * *

 小林さんは、本書の以前に企画出版として『日本プラモデル50年史』の編集を担当していますが、「10年前とはプラモデル業界も取り巻く環境もだいぶ変わっている」とも話しています。次の10年のプラモデルには、どんな歴史が刻まれるのでしょうか。

(マグミクス編集部)

小林昇(こばやしのぼる)
昭和32(1957)年、神奈川県に生まれる。大学卒業後、出版社に勤務。『田宮模型の仕事』(文庫版・田宮俊作著)、『伝説のプラモ屋』(文庫版・田宮俊作著)、『20世紀飛行機プラモデル大全』(平野克己編・著)、『日本プラモデル興亡史』(井田博著)、『日本プラモデル50年史』(日本プラモデル工業協同組合編)、『静岡模型全史』(静岡模型教材協同組合編)などの編集に携わった。現在、フリーランスのライター、編集者。

『日本プラモデル六〇年史』文藝春秋
小林昇 著 880円+税
2018年12月20日発売

【画像】ガルパンにコトブキ飛行隊…アニメで再生するミリタリーモデルたち(5枚)

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