地域おこしを担う「ご当地VTuber」増加のワケ 既存の「ゆるキャラ」カバーする多様な可能性
VTuberへの注目が高まり、活躍の場が広がるなか、観光PRなどで活動する「ご当地VTuber」に注目が集まっています。地域おこしにおいて、どのような効果が期待されているのでしょうか。
VTuberはビジネスの現場にも進出
VTuber とは、CGなどのバーチャルキャラクターを使った動画を配信・投稿する人のことで、2016年11月にデビューした「キズナアイ」のヒットから注目を集め、2018年には「VTuber」がネット流行語大賞で金賞を獲得しました。主にYouTubeなどの動画サイトを舞台に活動し、ネットやSNSなどを中心にファンを拡大させています。
ビッグデータを分析するユーザーローカル社の調査によると、2018年12月にVTuberの数はおよそ6000人を突破。さらなるファン層の拡大が期待されています。
一方、その強みは、美少女が歌ったり踊ったりするといったエンターテインメントとしての側面に留まりません。例えば、グリー株式会社では2018年6月期の決算説明会にVTuberの「いそら真実(まなみ)」が登壇し、一部の事業方針の説明を担当しました。また株式会社アルファコードは、法人向けにVTuberシステムを提供し、PRなどに活用できるサービス「キャラキャスト」を開発。今やVTuberはビジネスの現場においても大きく活用される存在になっています。
VTuberの活躍がネット動画を飛び出してさまざまな分野に広がるなか、最近では地域発の「ご当地VTuber」が新たな試みとして注目を集めています。

2018年8月に初披露され、国内初の自治体公認VTuberとして話題を呼んでいる茨城県の「茨ひより」。茨城県職員バーチャル広報課のアナウンサーという設定で、民間の魅力度ランキングで「最下位」という記録が続くなか、より多くの人に見てもらえて、茨城の魅力を分かりやすく伝えることを目的に企画されました。茨城県が運営するインターネット動画サイト「いばキラTV」での番組出演を中心に、県内の各種イベントにも積極的に参加しています。
茨城県の担当者は「VTuberは、若い方々を中心に人気があり、自分の言葉で情報を発信していることが多く、ご当地キャラクターとの差別化が図られており、両方が競合しないと考えています」とコメントしており、ご当地キャラクターとご当地VTuber双方からの地域おこしを目指していく模様です。