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人気アニメのネコに意外な過去が 『サザエさん』のタマに波平が暴言?

人気アニメに登場する猫たちは、現実世界と同じようにのんびり気ままに暮らしていますが、なかには、驚きの過去を持つ猫もいます。今回は、おなじみの猫たちの、意外な物語をご紹介します。

超人気ネコの驚愕の過去

一家のアイドル・タマも活躍するアニメ『サザエさん』(C)長谷川町子美術館
一家のアイドル・タマも活躍するアニメ『サザエさん』(C)長谷川町子美術館

 アニメに登場する猫たちは、現実の猫同様、愛くるしくていつも私たちを癒やしてくれます。自由気ままにのんびり暮らしている姿を見ると、こちらも猫になりたい気がするほどですが……なかには、「そんな過去があったのか」と、驚きの事情を背負った猫もいるのです。

●国民的ネコの悲しい過去……『サザエさん』のタマ

 国民的アニメ『サザエさん』の猫といえば、首に大きな鈴をつけた、一家のアイドル・タマです。「ねとらぼ調査隊」が行った「サザエさん一家の好きなキャラクター」アンケートでは堂々の1位を獲得しており、もはや、「国民的猫」と呼んでも過言ではないでしょう。そんな愛され猫のタマには……実は悲しい過去がありました。

 なんとタマは、雨の日にダンボールに入れて捨てられていた、捨て猫だったのです。1972年4月9日放送のエピソード「タマよ!泣くな」では、回想にてずぶ濡れでニャーニャー鳴いていたタマを、学校帰りのワカメちゃんが見つけて拾っていたことが明かされます。家に連れ帰り、物置でごはんをあげていたところ、波平に見つかって元の場所に戻すようにと言われてしまいました。波平は言うに事欠いて、「汚い捨て猫なんか飼うんじゃない」と、暴言を吐いています。

 とはいえ、子供が犬や猫を拾ってきて親に叱られるのは、昭和のあるある話でした。泣きながら元の道端に戻しに来たワカメちゃんは、せめてもとの思いからでしょうか、自分の傘をタマに残して駆け出します。しかし、追いかけてきたタマを捨てることは、彼女にはできませんでした。

 そして……冷たい雨に打たれたワカメちゃんが寝込んでいた間、タマの世話をしていたのは、なんと波平だったのです。晴れてサザエさん一家の一員になったタマは、波平から「なついてくるとカワイイもんでな」とすっかり気に入られていました。ちなみにタマという名前は、捨て猫だったタマが「あんまり痩せているから、玉のように丸くなるように」と、ワカメちゃんが名付けたものです。その思いが通じ、見事にふくよかな猫になりました。

●地上最強の猫だった『じゃりン子チエ』の小鉄

 1981年に高畑勲監督によってアニメ化され、大ブームを巻き起こした『じゃりン子チエ』(原作:はるき悦巳)といえば、主人公のチエちゃんのよき相棒である、飼い猫・小鉄が思い出されます。額に刻まれた三日月型の傷がトレードマークの小鉄は、勝手気ままに暮らしているように見えて、チエちゃんからは「用心棒」と紹介されることもあるほどの頼れる猫でした。額の傷とその腕っぷしからも、単なる飼い猫ではない匂いがプンプンしますが、それもそのはず、小鉄はかつて「月の輪の雷蔵」の異名で恐れられた、地上最強の猫だったのです。

 小鉄は野良猫時代に、全国の荒くれ猫に挑まれ続けていました。ドロップキック、ひじ打ち、電気あんまなど多彩な技を繰り出す小鉄ですが、最強の必殺技は、自らが編み出した「必殺たまつぶし」。相手猫の股下に潜り込み、股間の「タマ」を引きちぎるという、心身ともに大ダメージ必至の荒技です。

 ちなみに、小鉄もかつて捨て猫でした。一番初めの記憶は、ダンボール箱に入れられて川を流れていたことで、あわてて泳いで岸までたどりつき「なんでこんなことになったのか考えようとしたのだが、なぜか悲しくて悲しくて 涙がボロボロでてるうちに寝てしまった」のだとか。長じて地上最強になった猫の、切ないエピソードです。

●固執するのも納得!『うる星やつら』のコタツネコ

 鬼っ娘ラムちゃんが大活躍するアニメ『うる星やつら』(原作:高橋留美子)で猫といえば、いつも巨大な身体を火燵(こたつ)で暖めている、その名もコタツネコです。童謡「雪」で、「猫はこたつで丸くなる」と歌われるように、猫にこたつはつきものとはいえ、呼び名にまでなっているのには、実は深いワケがありました。

 ぬぼーっとして人畜無害なイメージのコタツネコですが、その正体は実は「化け猫」です。前世(?)は江戸時代の野良猫で、あまりの寒さにこたつに入れてもらおうと民家にあがったのですが、「汚い野良め」と追い払われたあげく、凍死してしまいました。その恨みで現代に化け猫として蘇ったコタツネコは、さぞ人間を恨んでいるのかと思いきや……どうやらそうでもないようです。チェリー(錯乱坊)や、主人公・あたるの高校の校長先生とは、一緒に鍋をつついたりお茶をすすったりと、ほのぼのとしたお付き合いをしていました。

 執着があるのはこたつだけ、あたるの家のこたつで、心ゆくまでぬくぬくしているのが幸せなようです。人間の冷たい仕打ちは意にも介さず、ただただ、暖かさを求めるとは、なんていい猫ちゃんなのでしょうか。『うる星やつら』ファンに愛される理由も、よく分かります。

(古屋啓子)

【画像】ネコ属性なの忘れちゃう? 強烈キャラたち(6枚)

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