マグミクス | manga * anime * game

マンガアプリ「マワシヨミジャンプ」が「エモさ」を目指した理由とは

テーマは、マンガとの「一期一会」

――マワシヨミジャンプ開発の背景を教えてください。

 もともと、スマートフォンを使ったジャンプの新サービスを考えており、2017年春に「少年ジャンプアプリ開発コンテスト」でアイデアを一般募集しました。そこで、ミライアプリ(東京・品川)さんが提案した、スマートフォンの位置情報を使って現実のマップ上に電子コミック本を置き、交換/共有するというサービスを見て、興味を持ったのがきっかけです。地図上でのマンガとの新たな出会いという点に「懐かしい」と感じました。

週刊少年ジャンプ編集部主任の籾山悠太さん。趣味は海外旅行で、その経験が今回のアプリ制作にも結びついたという(マグミクス編集部撮影)
週刊少年ジャンプ編集部主任の籾山悠太さん。趣味は海外旅行で、その経験が今回のアプリ制作にも結びついたという(マグミクス編集部撮影)

 昔は電車の網棚や公園などによく雑誌が落ちていました。日本人がよく利用するような海外の安宿やレストランも同じです。そこでは雑誌や文庫が置かれたり、交換されていたりしていました。以前からそういった部分に「楽しさ」を感じていたこともあり、ミライアプリさんとともに、1年強の時間をかけて作りました。

――御社の既存サービスとマワシヨミジャンプの利用シーンはどう異なりますか。

「この作品が読みたい」という明確な気持ちがあるとき、ユーザーは(少年ジャンプの漫画が無料で読めるウェブマンガ誌の)「少年ジャンプ+」「ジャンプBOOKストア!」などを使うと思います。しかし、マワシヨミジャンプはそうではありません。作品との「一期一会」を楽しみながら、家にいるときや、街を移動しているときの「ひまつぶし」として使ってもらいたいです。

――「一期一会」がマワシヨミジャンプのテーマなのですね。

 そうですね。

キーワードは「エモさ」「風情」

――アプリではどのような作品が読めるのでしょうか。

「週刊少年ジャンプ」と「ジャンプSQ(スクエア).」で連載した作品を中心にした、一定の巻数以上が出ている作品を対象としています。

――そのなかで気をつけたことは何でしょうか。

 幅広い作品を読める「少年ジャンプ+」と異なり、マワシヨミジャンプは「週刊少年ジャンプ」と「ジャンプSQ.」だけですので、「ジャンプ感」をより打ち出したいと思っていました。私は現在36歳ですが、普段の生活ではもう出合わないような1990年代の作品をマワシヨミジャンプを使って読み直すなど、新たな出合いがあります。

――対応冊数を増やす予定はありますか。

「週刊少年ジャンプ」と「ジャンプSQ.」からたくさんの新連載が生まれ、巻数も増えているので、対応冊数は毎月増やしていきます。

【画像】位置ゲー感覚でマンガを拾い読み!「マワシヨミジャンプ」の利用画面(6枚)

画像ギャラリー

1 2 3 4