死なずに救われたまさかの敵キャラ4選 「もはや主人公より勝ち組」
もはや「不死身」扱いのキャラも?
●『機動戦士ガンダム00』のグラハム・エーカー
西暦2307年の地球を舞台にした『機動戦士ガンダム00』(原作:矢作肇・富野由悠季)の主人公、刹那・F・セイエイのライバルポジションにあたるのが、グラハム・エーカーです。三大国家群のひとつであるユニオン軍所属のモビルスーツパイロットで、次第にガンダムに魅了されていきます。
類稀な操縦センスでガンダムと渡り合う、高い戦闘能力を持ったグラハムはそれだけでも注目されましたが、ガンダムへの強すぎる愛から名(迷?)セリフが多数飛び出したため、劇中の数少ないコミカルなキャラとしてもファンを魅了しました。
そんなグラハムは、ファーストシーズン終盤において重傷を負いながらも、傷を隠すための仮面をつけた姿「ミスター・ブシドー」としてセカンドシーズンに再登場。ガンダムへの執着もさらに増した様子で、戦場に復帰します。
その後、『劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-』にて多大なる活躍を見せ、「これは死ではない!人類が生きるための!」と語りながら特攻し最期を迎えた……かと思われていましたが、10周年記念イベントの朗読劇内で、奇跡的に復活していたことが判明します。
驚きの展開と思いきや、同作を手掛けた水島精二監督のとある発言から、グラハムの生存を予想していた人も多かったため、結果的にガンダムマイスターにまでなったグラハムを、いい意味で「変態」と賞賛する声が上がりました。この展開から、同作品ではフラグクラッシャーとして有名な、パトリック・コーラサワーとともに「不死身」と呼ばれるようになっています。
●『進撃の巨人』のライナー・ブラウン
『進撃の巨人』(原作:諫山創)はアニメシリーズの完結編(前編)が、2023年3月3日より放送開始予定です。そんな同作の主人公エレン・イェーガーの同期生でありながら、実は裏切り者(鎧の巨人)だったライナー・ブラウンは、しばしばエレンと対比して描かれることがある人物です。
ライナーは、「壁の外の世界」のマーレ王国の出身で、エレンたちの住むパラディ島に潜入していたものの、調査兵団の仲間たちに情が湧いていました。彼らを裏切らなければ達成できない使命との狭間で自責の念に駆られ、正体を明かして母国に帰ってからも、精神を病んでいきます。戦闘のなかで危険な状況に陥る場面も多く、自死を試みる衝撃的なシーンまであったため、ファンの間で「最終的には死ぬ」という予想の耐えなかったキャラのひとりです。そんなライナーは、クライマックスでは「暴走」したエレンを止めるべく、かつての仲間たちと共闘します。
そもそも巨人化の能力を継承した者は寿命が定められているので、「鎧の巨人」であるライナーの余命はわずかでした。しかし、最終的にエレンを止めて倒したことで始祖が消滅し、同時に巨人の力そのものもこの世から消滅します。こうしてライナーは巨人化の能力を失い、寿命の制限もなくなり、ぎくしゃくしていた母親とも和解することができました。
エレンと対極のポジションにいて宿敵のように描かれたライナーは、作者の諫山先生お気に入りのキャラクターだそうです。エレンが死亡するラストを迎えるにあたって、生き残るべくして生き残った、もうひとりの主人公といえるでしょう。
(椎崎麗)