「最終回が思い出せない」ジャンプ名作3選 読み返したら記憶と違った!?
いつの時代も少年たちの心を熱くしてくれるジャンプマンガ。ひとつの作品が大団円を迎えても、途切れることなく新たな大作が、次からへ次へと生み出され続けています。ただその影響なのか、誰もが知る名作でありながら「最終回のシーンが思い出せない」という作品も…。なぜか最終回が忘れられがちなタイトルを、まとめてご紹介します。
愛と友情の伝説に終止符! 『北斗の拳』ラストは原点回帰
少年たちの心を熱くする「少年ジャンプ」。『ONE PIECE』や『鬼滅の刃』など、最近でも社会現象を巻き起こし続ける作品を輩出しています。しかし人気作がどんどん続くことで、意外な弊害も…。たとえば誰もが知る普及の名作にもかかわらず、ラスト1話の展開がどうにも思い出せないと言われがちな名作たちが存在します。
※以降の本文中には、『北斗の拳』『キン肉マン』『るろうに剣心』最終回に関する詳しい記載があります。閲覧にはご注意下さい。
その代表として挙げられがちなのが『北斗の拳』。南斗の使い手たちや、兄弟子・ラオウとの名勝負は鮮明に記憶に残っているものの、ラストシーンはあまり思い出せない人も多いようです。
同作のラストは、ラオウと繰り広げた大決戦から少し後の話になります。ラオウの息子・リュウとの旅を終え、ユリアの眠る故郷に帰りつくケンシロウ。ユリアのことを忘れられないケンシロウでしたが、ある日運命のいたずらによって記憶を失ってしまいます。
この時、長らくケンシロウとともに旅を続けてきたリンとバットが偶然近くにいました。リンは激しい戦いに巻き込まれた際、ケンシロウに関する記憶を喪失。バットはふたりを再び引き合わせることで、リンが真に愛していたケンシロウのことを思い出させようとします。しかし目論見は外れ、なんとようやく出会えたケンシロウまでもが記憶喪失という状況に驚きを隠せないバット。そしてその後、ケンシロウに復讐を企む敵の存在を知るのです。
記憶喪失のケンシロウとリンの幸せを願うバットは、自分ひとりで立ち向かうことを決意。ところが敵は予想以上に強力で、バットは捕まって凄惨な拷問を受けることに。あわやというシーンでケンシロウが記憶を取り戻して敵を撃沈しますが、バットの体はすでに死を免れない状態でした。
ふたりを想うバットの熱い心を感じたためか、リンも間もなく記憶を取り戻します。バットの犠牲の上で幸せにはなれない、と墓前に寄り添う決意を述べるリン。リンの意思を尊重してその場をケンシロウが離れた後、息絶えたかに思われたバットの体に奇跡が…。
ほかにも熱い友情と愛の物語に相応しい最後といえば、『キン肉マン』のラストを挙げずにはいられません。キン肉マンの最終章は「キン肉星王位決定戦」編。数々の強敵と熱い戦いを繰り広げてきたキン肉マンに立ちはだかった最後の敵は、フェニックスです。
キン肉マンと比べて暗い過去を背負ったフェニックスは、王位を獲得することで自分が正当なキン肉王族の血族であることを証明しようとしていました。知性の神と協力したフェニックスの力は強大で、熾烈な戦いの中でついにキン肉マンの心臓を止めることに成功。歓喜しながら止めを刺そうとしたフェニックスでしたが、同時に自分も心臓に違和感を持ち始めます。
間一髪、仲間の協力によって「火事場のクソ力」を取り戻したキン肉マン。あわやという状況でフェニックスの必殺技を外し、逆に相手の四肢を固定しながら体ごと叩きつける「7000万パワーマッスル・スパーク」を返しました。ギリギリ限界のシーンで大逆転に成功したキン肉マンでしたが、ただ喜ぶだけではありません。マッスル・スパークによって完全に命を落としたライバル・フェニックスに向けてマスクを外し、王としての慈愛を見せるのでした。
また戦いの中で得た答えを示す感動のラストといえば、明治維新を駆け抜けた「るろうに」のラストも印象的です。