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マンガを読んで「国境」を飛び越えろ! 「MANGA ART HOTEL, TOKYO」代表が熱く語る理由とは

「国家」に依存しないプラットホームとは

 そのような経験を通して、ふたたびがよみがえってきた大学時代に抱いた思い。「相互不理解の解消」。自分には何ができるのか――。そう考えた御子柴さんは「個人外交」に活路を見いだすようになりました。

 個人外交とは「『国家』に依存しないグローバルなプラットホームで、個人が自由に国境を越え、人種や宗教、言語を超え、さまざまな人々と交流すること」です。そこで御子柴さんが注目したのは、大手民泊サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」。時は2014年5月の日本法人「Airbnb Japan」設立以前のことでした。

蛍光イエローと乳白のアクリル板を入れ子構造で仕上げたエントランス(マグミクス編集部撮影)
蛍光イエローと乳白のアクリル板を入れ子構造で仕上げたエントランス(マグミクス編集部撮影)

 Airbnbの宿泊部屋のタイプは「まるまる貸切」「個室」「シェアルーム」の3つに分類されます。御子柴さんが注目したのは、部屋を丸ごと貸切る「まるまる貸切」ではなく、ホスト(宿泊場所を提供する人)がいる「個室」タイプでした。

「そこに個人外交の可能性を感じたのです。それから世界50都市は巡ったでしょうか」

 バンクーバーの絵描きのシングルマザー、ポートランドの彫刻家、世界中の猫好きの人たち。さまざまな人たちと個人外交を行った御子柴さん。その際に気づいたことがあります。

「個人外交を行うためには、相手と漫然と会話をしているだけではダメなんです。ネタがすぐに尽きてしまいますから。必要なのは、相手と自分の『共通言語』を見つけること。サッカーだったり、音楽だったり、ネタは何でもいい。共通言語を見つけて、お互い好きな話をすれば、深いコミュニケーションにつながります」

 その後、吉玉さんとdotを設立。宿泊事業の企画開発を手掛ける一方、今回、「グローバルに通用する共通言語を持った新しい宿泊施設」を展開するため、「MANGA ART HOTEL, TOKYO」を開業することに。そのツールになぜマンガを選んだのは「日本が誇る文化産業のひとつだからです。あと、私たちがもともとマンガ好きだったということもあります(笑)」

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