思わず涙!? 『映画ドラえもん』ポスターは、なぜ大人の胸を打つのか
"大人になったすべての子供たちへ"メッセージ
2017年公開の『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』の際にも、同じ手法のポスターが話題になりました。同作品は、のび太らが南極を冒険するストーリー。キャラクターの姿が描かれず、物語の鍵を握るリングのみを描いたものや、氷で閉ざされた都市を見下ろすのび太たちなど6種類のポスターが展開されました。
今回のビジュアル制作には、アートディレクターの藤田誠さんと、『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う』(幻冬舎)で2010年に小家デビューも果たしたコピーライターの尾形真理子さん、そしてイラストレーターの吉實恵さんの手により制作されました。
どのような意図があるのでしょうか。『映画ドラえもん のび太の月面探検記』のビジュアル担当者に話を聞きました。

ーー”ムーンビジュアル”の制作経緯を教えてください。
ドラえもんは、子供だけなく大人になっても楽しんでいただける作品です。子供のころは大好きだったのに、いつの間にかドラえもん離れしていた。ドラえもんが大好きだったあのころの気持ちを思い出した。そんな方々に映画館に足を運んでもらえるようなビジュアル制作を、藤田誠さんと一緒に目指しました。
ーー実際のビジュアル制作は、どのように進められたのでしょうか?
風景写真をカメラマンに撮っていただき、その写真をもとに吉寶恵さんがアクリル絵具で描いてくださいました。キャラクターの下絵は、映画と同じアニメーターさんにお願いしています。
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担当者は、”大人になったすべての子供たちへ”をテーマにキャッチフレーズを制作。6つのビジュアルは、劇中のエモーショナルな場面から厳選したと話しています。
「シンプルなのに惹き込まれる」「期待値が高まる」といった『南極カチコチ大冒険』の反応と同様に、今作でもSNSを中心に好意的な声が見られ、このような反響をもたらすドラえもんパワーに驚いていると同社は明かしています。
アニメは子供のみならず大人にも受け入れられるコンテンツに成長しました。一方で、かつての視聴者が大人になり、世代が入れ替わっていくのに合わせて、アニメの広告手法も柔軟に変化しているといえるでしょう。
(マグミクス編集部)