「ガンダムの下位互換」はホント? 評価低めの「ジム」こそ「MSの完成品」と言えるワケ
TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場したモビルスーツ「RGM-79 ジム」。地球連邦軍では初となる量産機として開発され、多くの派生機や専用機も生産された主力機体です。一年戦争の趨勢を決めた機体としても知られていますが、一方で劇中の印象的な撃墜シーンなどから、どうにも「やられ役」というイメージを持つ人も多くいるようです。
ジムは不遇評価?

「ジム(GM)とはガンダムのマスプロダクトモデルを表す略称である」……数ある命名由来のなかでも特に有名なこの説。これからも分かる通り、ジムはあの傑作機「ガンダム」をもとにして作った量産機、ということはガンダムファンの皆さんであれば御存知の通りです。しかしこう思った人もいるのではないでしょうか。
「あの強くてカッコいいガンダムのどこをどうすればこうなってしまうんだ!」
確かにシルエットこそ似てはいるものの、ガンダムの凛々しいお顔はなんだか貧相な凸型のバイザーになっていますし、必殺のビームライフルなんかは小さくて威力も低いビームスプレーガンとやらに置き換わっています。なんだか弱々しい印象は拭い去れません。これではガンダムの名が泣くというもの。
ですが、これはあくまでガンダムに視点を置いているから起きる言わばイメージの事故。そもそも「ガンダムは試作機」です。だって公式設定もそう言っています。TVアニメ第1作でアムロ少年が乗っていたRX-78-2型は、どちらかというと試作機を元にした高性能チューン機という色が強いのですが、少なくとも完成機ではないのです。ということは、ガンダムとは「何か別の完成品を作るために試しに作った機体」ということになります。では完成品とはなにか。
そう、それこそがジムなのです。
ジムを視点として言い換えれば、ガンダムとはジムの開発過程で作られた単なる試作品、ということになります。もっとも、単なる試作品があんな八面六臂の活躍をしてしまえば、後年に伝説的存在となって軍のシンボルともなるのも宜(むべ)なるかな。