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グウェンだけじゃない!『スパイダーバース』公開前にチェックしたい”スパイダーマンたち”

特撮の基礎を築いた"東映版スパイダーマン"

表紙に登場する、東映版スパイダーマンとレオパルドン『Vault Of Spiders #1』(Marvel)
表紙に登場する、東映版スパイダーマンとレオパルドン『Vault Of Spiders #1』(Marvel)

「スーパー戦隊シリーズ」などで有名な東映も、実はスパイダーマンを手がけています。1978年から1979年にかけて、日本で放送されていた”東映版スパイダーマン”です。

 当時、東映はマーベルと互いの持っているキャラクターの使用契約を結んでいました。海を越えてスパイダーマンが日本にやってきたのに対して、東映からは『超電磁ロボ コン・バトラーV』、『惑星ロボ ダンガードA』や『勇者ライディーン』がアメリカの地を踏みました。

 マーベルは上記の3つのキャラクターを総登場させた『ショーグン・ウォリアーズ』というコミックスを制作しています。

 ”東映版スパイダーマン”の特徴といえば、スパイダーマンが操縦する巨大ロボット・レオパルドンでしょう。同作品は、特撮テレビドラマシリーズです。設定や物語は東映独自のもので、どこか現在の戦隊ヒーローを想起させます。

 後年、同作品で行った試みが「スーパー戦隊シリーズ」に引き継がれていったといいます。

 数多くのアメリカンヒーローの原作者、故スタン・リーはレオパルドンを気に入っていなかったとされていましたが、後年のインタビューで”東映版スパイダーマン”を非常に気に入っていると話しています。

 また、マーベル公式サイトで同作品が配信されると、海外の日本のオタクカルチャーを愛する層から歓迎されたといいます。

 放送終了後、長らく公式で扱われてこなかったために、無視され続けてた”東映版スパイダーマン”。しかし、映画『スパイダーバース』の原作コミックに突然登場し、ファンを騒然とさせました。

中央に立つのが、マンスパイダー『Marvel FANFARE#2』(Marvel)
中央に立つのが、マンスパイダー『Marvel FANFARE#2』(Marvel)

 映画『スパイダーバース』には登場しませんが、紹介したいのがマンスパイダーです。『Marvel FANFARE#2』(1982年)で、敵が作った遺伝子還元装置の光線を浴びてしまったスパイダーマンがおぞましい姿に変貌したキャラクターです。

 クモ8割、人間2割くらいの体にクモの頭が乗っかった姿は、もはやヒーローではなく悪役。いや、モンスターです。しかし、化物になってもピーターの正義の心は死なず、マンスパイダーの姿のままで敵に立ち向かうのでした。

 こちらも、マイナーなキャラクターでしたが、2007年の「Spider-Man Figure Collection TIME CAPSULE」(タカラトミーアーツ)で、かわいらしくデフォルメされたフィギュアが発売されたことで、知名度が上がりました。

* * *

 まだまだ紹介しきれないほどのスパイダーマンが存在します。性別や立ち位置、目的など千差万別の違いは、多様な人種で構成されたアメリカという国そのものを表しているといえます。

 そうした背景から生まれたキャラクターたちは、多様な文化や慣習を受け入れるアメリカ社会の可能性を私たちに見せているのかもしれません。

(大野なおと)

【表紙画像】日本生まれのスパイダーマン、原作コミックにも登場

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