マグミクス | manga * anime * game

『FF』シリーズ史上、最も「好き嫌い」が分かれる?『VIII』の賛否議論が絶えないワケ

1999年2月11日に発売された、スクウェア(現スクウェア・エニックス)の挑戦作『ファイナルファンタジーVIII』。同作は全世界で960万本以上の販売数を記録する大人気作品ですが、ファンの間では今もなお、とある論争が繰り広げられているようです。『ファイナルファンタジーVIII』は名作か、それとも迷作か、と――。

『FF VIII』はシリーズ史上最も好き嫌いが分かれる作品?

世界中から根強い人気を誇る『ファイナルファンタジーVIII』はなぜ賛否が分かれるのか? 画像はスクウェア・エニックスの公式YouTubeチャンネル『【DISSIDIA FINAL FANTASY】バトルムービー:スコール』より
世界中から根強い人気を誇る『ファイナルファンタジーVIII』はなぜ賛否が分かれるのか? 画像はスクウェア・エニックスの公式YouTubeチャンネル『【DISSIDIA FINAL FANTASY】バトルムービー:スコール』より

 発売から20年以上が経った現在も、ファンの心を掴んで離さない『ファイナルファンタジーVIII』(以下、FF VIII)。従来のシリーズとは大きく異なる同作のシステムや独特な世界観は、今なお議論の的になっています。まさにスクウェア(現スクウェア・エニックス)の挑戦作ともいえる『FF VIII』ですが、なぜ長い期間ゲームファンの関心を引きつけているのでしょうか。

 特にネット上でよく見るのは、「『FF VIII』は本当に面白かったのか……」という議論。確かに同作特有のキャラクター強化システムである「ジャンクション」や、味方パーティのレベルに合わせて敵のレベルも上昇する「レベル連動制」は、RPGの代名詞ともいえるレベル上げの概念を覆しました。そのため『FF』シリーズのファンが困惑してしまうのも仕方がなかったのかもしれません。

 また前作の『ファイナルファンタジーVII』と打って変わって、『FF VIII』が学園ラブストーリーの要素が強かった点もひとつの争点となっています。主人公のスコールは、傭兵育成学校「バラムガーデン」に所属する特殊部隊SeeDの一員。やがて仲間たちとともに魔女イデアとの戦いに身を投じることになるものの、あくまでヒロインであるリノアとの恋愛に主軸が置かれていました。

 ファンからすれば「『FF』らしくない!」と言いたくなる気持ちも理解できますよ。しかし、これまでにないシステムや恋愛要素は、コアなゲームファンをはじめ多くの人に刺さっていた様子。ネット上には「FF8は散らばった伏線などが後半に行くにつれて開花していく繊細な青春活劇」「誰が何と言おうとFF8は名作。みんな理解してないだけ!」「ストーリーの伏線回収やエンディングの演出など、何もかもが素晴らしい」などなど、今でも熱い想いを寄せる人が見受けられます。

 実際に当時は、スコールに影響を受けて「中二病」になってしまった少年や、同作のヒロインであるリノアに恋をしたという人も少なくありませんでした。そういった意味では、『FF VIII』が与えた影響は極めて大きかったように思えます。

 ちなみに2022年2月に放送されたNHKの特別番組『発表!全ファイナルファンタジー大投票』では、好きな作品ランキング第7位(全57作品のうち)に『FF VIII』がランクインしていました。

 シリーズ初となる生オーケストラや主題歌を起用するなど、どこまでも画期的だった『FF VIII』。今なお議論が繰り広げられているということは、それだけ多くの人の記憶に残る作品だった証でもあります。時に「シリーズ史上最も好き嫌いが分かれる作品」などと言われることもありますが、もしかするとそれは、制作陣の思惑通りだったのかもしれませんね。

(ハララ書房)

【画像】カワイイけど悪女!「ヒロインも賛否」だった『FF VIII』を見る(4枚)

画像ギャラリー