「友情崩壊」招いたレトロゲームたち 協力ゲーなのに対戦になっていた!?
友達とゲームを遊んでいると、熱中しすぎてケンカになることが少なからずあります。それは今も、そして昭和の時代でも起こりました。かつてはどんなゲームが「友情崩壊」の危機を招いたのか。当時過熱したゲームたちを振り返ります。
協力プレイが「対戦」と化したファミコン時代
インターネットの普及に伴い、友達と一緒に遊ぶスタイルも様変わりしました。今や同じ場所にいる必要はなく、オンラインで繋がり、協力や対戦プレイを楽しむことができます。
そんな便利さとは無縁のファミコン・スーパーファミコン時代は、誰かの家に集まり、本体に繋がったコントローラーをそれぞれ手にして、協力・対戦プレイを楽しんでいました。友達に囲まれ、他愛のない会話が飛び交う空間は、平凡ながらかけがえのない時間と言えます。
しかし、時に熱中しすぎてしまい、ケンカや仲違いに発展することも少なからずありました。その原因はもちろん本人たちにありますが、そこまで過熱させるプレイ体験を提供するのはどんなゲームだったのか。当時を思い出しつつ、振り返ってみてください。
●味方だったはずの友達が、最大の敵に!?
ケンカの原因になりやすいゲームといえば、対戦ゲームが最有力でしょう。ファミコン最初期だと、1983年12月発売の『ベースボール』が対戦ゲームの代表格です。ですが、この『ベースボール』以前から、ファミコンの対戦プレイは始まっていました。
その作品は、ずばり『マリオブラザーズ』(1983年9月発売)です。分担して敵を倒していたはずが、友達の操作キャラが立ちふさがったり、下から押し上げて妨害したりと、ケンカの火種が尽きません。特に、敵を倒そうと思った瞬間に復活させられると、友情崩壊ゲージがたちまちレッドゾーンに突入します。
『マリオブラザーズ』のように、協力プレイなのに味方を追い詰められるゲームは、ファミコンだけでも複数存在しました。特に有名なのは、命綱の風船を割り合うプレイに発展しやすい『バルーンファイト』、遅れた方がミスになるので山登り合戦になる『アイスクライマー』なども、過熱しがちなゲームとして名を馳せています。
こうした作品のユニークなところは、ゲーム性自体は協力プレイの範疇にありながら、対戦ゲームとしても機能する点でしょう。最初から対戦ツールとして楽しむ場合もあれば、仲良く協力していたはずなのに気づけば対戦プレイになっていることも。そうした境目のない自由なプレイスタイルも、過熱の理由だったのかもしれません。