ジオングの「足なんて飾り」論争 完成していたらシャアはアムロに負けなかった?
『機動戦士ガンダム』においてシャアの最後の機体となったジオング。サイコミュと13門のビーム砲を装備した強力なモビルスーツですが、作中では未完成と言われています。ジオングが完成していたらシャアはアムロに勝てたでしょうか。
ジオン公国の名前を冠した強力なモビルスーツ、ジオング

『機動戦士ガンダム』における最終決戦といえば、ガンダムとジオングの一騎打ち。結果は相打ちに終わりましたが、もしジオングに足があったら違う結果もあったのでは?
この記事では、ジオングの完成度とシャアが実力を出し切れなかった理由について考察してます。
●80%しか完成していないって本当?
脚部の代わりに巨大なブースターを持つ異形のデザインで知られるジオング。作中ではその完成度について矛盾したセリフがみられます。
例えば、キシリアはシャアに「ジオングを使ってみるか? 80%しか完成していないが」と発言していますし、ギレンは「ジオングを使います」というキシリアに対し「未完成品をか?」と問い返しています。キシリアとギレンの認識では、ジオングは未完成品なのです。
しかしジオングを目の当たりにして「足がついていない」とつぶやくシャアに、整備兵は言いました。
「80%? 冗談じゃありません。現状でジオングの性能は100%出せます」「あんなのただの飾りですから。偉い人にはそれが分からんのです」
果たしてジオングは足がない状態で完成されているのでしょうか。それとも脚がなくても100%の性能を発揮できるのに、偉い人は飾りにしかならない足をつけろと言っている、と読み解くべきでしょうか。
一見すると矛盾した情報が提示されているように見えますが、これこそ管理者と現場の認識ギャップというもの。ジオン軍という巨大組織のリアリティを感じる富野監督ならではの作劇術だといえるでしょう。