あの擬人化キャラにもなれる!? ”動くしっぽ”で変わるコスプレ表現と変身願望
イギリスでスマートフォンアプリと連動する"動くしっぽ"が開発されています。コスプレ表現のキーアイテムとして使ったり、対象キャラクターの幅を広げたりと、さまざまな形の活用法に期待が寄せられています。
アプリと連動して動作、英ベンチャーが開発
2012年創業のイギリスのベンチャー企業「ザ・テール・カンパニー」が開発している、アプリと連動して動く”しっぽ”が注目を集めています。
同社の代表取締役アンドリュー・ショーベンさんは、これまでに数多くのキツネやウサギ、オオカミなどの動物のしっぽを制作しています。この”動くしっぽ”の開発について「主にパーティーで装着する装飾品として購入する人が多いが、コスプレ好きな人などからの需要もある」と、イギリス国内メディアの取材で明かしています。
アンドリューさんによれば、自身の好きなアニメのキャタクターになりきりたいという要望が多く、また日本では「ケモナー」と呼ばれる、動物の着ぐるみを愛し、自らも着る層「ファーリー」からの注文も多いといいます。後者からは、細部にまでこだわったオーダーがあるそうです。
今回の「ザ・テール・カンパニー」が開発中の”動くしっぽ”の登場により、コスプレの表現力が高まり、これまでなりきれなかったキャラクターのコスプレができるようになるなど、楽しみ方がさらに幅広くなるかもしれません。
コスプレの楽しみ方がさらに幅広く
マンガやアニメのキャラクターになりきる「コスチュームプレイ(コスプレ)」は、こと日本では、アニメの楽しみ方のひとつとしてアニメファンのみならず、一般にも広く知られています。
東京ビッグサイトで、年に2回催される世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」ではコスプレの披露・撮影会が目玉コンテンツとして人気を誇っています。
また、大阪市浪速区で催され、歩行者天国でコスプレを楽しむ「日本橋ストリートフェスタ」は、2005年に第1回が開催されて以来、年を追うごとに多くのコスプレイヤーが全国各地から参加。2019年3月9日に行われた15回目のイベントには、25万人以上が来場し、すでに”日本最大級のコスプレ祭”として認知されています。
コスプレ文化の広がりとあわせて、”擬人化した動物”をモチーフとした作品も人気を集めています。擬人化した動物たちが繰り広げる学園生活を描いたマンガ作品『BEASTARS(ビースターズ)』(板垣巴流/秋田書店)は、宝島社「このマンガがすごい!2018」オトコ編第2位にランクインし、「マンガ大賞2018」大賞、「第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門」新人賞、「第22回手塚治虫文化賞」などの各賞を獲得しています。
また、2019年1月から放送中の『けものフレンズ2』(テレビ東京)も、ヒトの姿に変身したアニマルガールたちをメインキャラとした独自の世界観で、アニメ第1期から人気を確立しています。
このように”動物が擬人化する”作品群は、”本来の自分とは違うものになりきる”というコスプレの魅力を作中で体現したものであり、特に”動くしっぽ”を使ったコスプレとの親和性は高いと考えられます。
制服やスーツを身にまとい、キチンとした振る舞いや常識を守った行動を求められる……そんな日常のプレッシャーから解放され、自分以外の何かになりきって楽しみたいという”変身願望”を満たす手段のひとつとして、コスプレは一般の人にも広がりつつあります。その選択肢のなかに、”動くしっぽ”は新たなアイテムとして効果を発揮することでしょう。
(マグミクス編集部)