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新元号になる前にーー”平成アニメ”とは何?『平成最後のアニメ論』著者に聞く

アニメは"楽しむこと"が前提

「平成アニメ」について話していただいた、町口哲生さん
「平成アニメ」について話していただいた、町口哲生さん

ーー平成が終わり、新しい年代のアニメではどのようなことが描かれるでしょうか?

『魔法少女まどか☆マギカ』のような、少女たちが絶望的な状況の中で戦う魔法少女もの、『Re: ゼロから始める異世界生活』(2016)のような異世界召喚もの、『ラブライブ!』(2014)のようなグループアイドルもの、『黒子のバスケ』(2012)のようなチーム男子ものなど、平成アニメの人気作を継承したような作品は作られ続けると思います。もちろん百合アニメ、空気系、ギャグもの、萌えミリタリーものも同様です。

 注目したいのは、『メイドインアビス』(2017)や『少女終末旅行』(2017)のような終末ものや、『ゴールデンカムイ』(2018)や『アンゴルモア 元寇合戦記』(2018)のような外史ものです。前者は、終末を舞台にデフォルメされたキャラクターが彷徨う感じで、後者は正史で語られてこなかった歴史を偽史を交えながら、壮大に描いたものです。こうした作品が新しい年代に増えるといいな、と個人的に願ってます。

 アニメは情報娯楽なので、楽しむことが前提のエンタメです。とはいえ情報に注目すると、いろいろなことが描かれていますし、視聴者の集合的無意識を反映したテーマがクリエイターによって生み出されていくことでしょう。

 リアルな世界であろうとなかろうと、先のことは予測できないとは思います。でも近未来は予測不能だからこそ、平成が終わり、新しい時代を迎えるにあたり、私たちは胸が高鳴る思いを抱いているはずです。それをどのようにクリエイターの皆さんがくみ取るかについても注目したいですね。

* * *

 時代や世相を反映しているアニメ作品。そこには、作品に携わるひとびとの信条や思いがさまざまな形で込められています。今後どのような作品が私たちの前に登場するのでしょうか。

(マグミクス編集部)

●町口哲生(まちぐち・てつお)
文芸評論家。専門は哲学・現代思想。近畿大学では映像・芸術基礎、映像・芸術論、現代の社会論を教えている。著書に『帝国の形而上学--三木清の歴史哲学』(作品社)など。
Twitter:@tetuomachiguchi

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