VTuber主演ドラマ『四月一日さん家の』プロデューサーに聞く VRでテレビ番組はどう変わる?
CGなどで作られた仮想キャラクターとして、動画配信などで活動するVTuberは近年、一般に認知されつつあります。このほど、VTuberが主演をつとめるTVドラマ『四月一日さん家の』の制作が発表されました。同ドラマのプロデューサーに話を聞きました。
VTuberと一緒に新たなエンタメを作りたかった

2019年4月19日(金)の深夜に、3人のVTuberが出演する連続ドラマ『四月一日(わたぬき)さん家の』が、テレビ東京にてスタートします。放送される時間帯は、ヒットドラマを量産している同局の「ドラマ24枠」の後続として設けられたもので、2018年の春クールには池松壮亮主演『宮本から君へ』といった話題作が放送されています。
VTuberを主演に起用した『四月一日さん家の』には、バーチャルアイドルとして活動し、2019年3月27日にアルバムを発売した「ときのそら」、本作品でデビューする新人VTuber「猿楽町双葉」、作詞家・作曲家VTuberの「響木アオ」が出演します。それぞれ、普段のVTuberとしての活動とは違い、東京下町の一軒家に住む三姉妹の役を演じ、日常のなかで繰り広げられるドラマを描きます。
脚本を務めるのは、独特のコントが評判のお笑いコンビ、シソンヌじろう、同局の人気ドラマ『★ウレロ』シリーズの土屋亮一らが名を連ねます。
各業界から注目されているVTuberですが、市場規模はおよそ220億円ほどとされており、毎日のように新しいVTuberがデビューしています。VTuberの活動は地方でも見られ、沖縄ではご当地Vtuber「玉那覇はるか」が、商店街のビジョンで観光情報を宣伝、茨城県では行政が運営の主体となり、ご当地VTuber「茨ひより」が活躍しています。
いわゆる”お茶の間”に身近なテレビドラマの舞台に、VTuberがどのように参入していくのでしょうか。『四月一日さん家の』でプロデューサーを務める、テレビ東京の五箇公貴さんに話を聞きました。
ーーこの度のドラマ制作について、どのような経緯があったのでしょうか。
五箇公貴さん(以下敬称略) 私は普段は実写ドラマや映画の企画プロデュースをしているのですが、昨年夏前にVTuberの存在を見て、その面白さにハマってしまうとともに、これまでにない”心がざわざわする感じ”を覚えました。
それで、彼らと一緒に新しいエンタメを作っていけたら、いろいろな可能性が広がるし、これは絶対にやりたいと思いました。そして昨年夏前というのは、世間でもVTuberの火種が広がっていく時期で、このタイミングで本ドラマの企画を通せたのはすごく大きかったと思います。