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転売価格も大幅暴落…入手難続いた「PS5」の今

発売から2年以上にわたって入手難だった「PS5」。抽選販売に当たるか、先着販売に出くわすか、いずれにせよ運が良くなければ購入できない状態が続いていました。ですが、長く続いた供給不足に改善の兆しが。そんなPS5の「今」に迫ります。

PS5がこれまで歩んできた、逆風の2年間

入手難が2年も続く、異例のハードとなった「PS5」
入手難が2年も続く、異例のハードとなった「PS5」

 PlayStationプラットフォームを武器に、ゲーム業界に大きな影響を与え続けてきたソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)。同社の躍進は、人気を博すゲーム機の開発・販売をはじめ、名作のリリースやサブスクリプション展開など、幅広い分野に及んでいます。

 そんな同社が2020年にリリースした「PlayStation 5」(以下、PS5)は、次世代の体験を提供する最新のゲーム機としてデビュー。高価でハイスペックなパソコンと比べると性能面こそ一歩譲るものの、コストパフォーマンスに優れており、ゲームファンの新たな選択肢として大きな注目を集めていました。

 ですが、発売以降のPS5は、これまでのゲーム機とは異なる展開を迎え、予想外の動きを見せました。そして、発売から2年以上経った現在、また大きな節目を迎えつつあります。PS5に一体何が起きて、どのような状態を迎えているのか。未だに注目を集める最新ゲーム機の「今」に迫ります。

●家庭用ゲーム機として、異例の展開を歩んだ「PS5」

 過去のゲームと比べて高い性能を持ち、PlayStation 4ソフトも遊べる後方互換機能を搭載。高速SSDによるロード時間の大幅な短縮など、PS5はゲームファンの心を鷲掴みにしました。その注目度の高さから、予約は即終了し、発売日以降も容易く買えない日々が続きます。

 ですが、発売からしばらく経つまで入手しにくいのは、人気ゲーム機ではお馴染みのこと。Nintendo SwitchやPlayStation 4も、同じような展開を辿(たど)りました。そのため、発売日直後に買えなくとも、「年が明けた頃にはきっと買えるだろう」と考えた人が少なくありません。

 しかし、年が明けて2021年を迎え、さらに最初の一か月が過ぎても、PS5の販売形式は抽選販売がほとんど。また、申し込み件数に比べて当選者が少なく、需要と供給の大きな隔たりが一向に解消されません。

 今も多くの人に支持されているNintendo Switchは、発売直後はもちろん、人気タイトルの発売後やコロナ禍による巣ごもり需要など、幾度も品切れで入手しにくい時期がありました。ですが、店頭に並んでいつでも買える状況もたびたびあり、「誰でも買える」「入手難」を行ったり来たりしています。

 一方PS5の場合は、2020年11月の発売以降、2021年のみならず、2022年もずっと抽選販売が続き、抽選に落選し続ける人が多数。ゲリラ的に先着販売が行われれば、ネットでは即販売。実店舗なら購入希望者が大挙する事態になるなど、入手の厳しさが浮き彫りになります。

 供給の少なさはいくつかの理由があり、コロナ禍もそのひとつ。工場の稼働率が下がり、慢性的な半導体不足に悩まされるなど、向かい風の状況が続きます。また、転売目的の購入者の少なからずあり、抽選倍率の悪化に拍車をかけました。

 こうした向かい風が吹き続け、2022年11月を迎えてもなお、PS5は「入手しにくいゲーム機」という印象を変えるに至りませんでした。どれほど話題のゲーム機であっても、入手難が2年間ずっと続いたケースはまずありません。人気や関心の高さに加え、供給不足がこうした事態を招く要因となり、その結果チャンスロスが発生したほか、転売に阻まれた人たちが購入意欲を減退するなど、誰にとっても嬉しくない事態を引き起こします。

 海外まで含めると販売台数自体の伸びは一定の水準をクリアしており、悲観するレベルには至っていません。また、対応ソフトまで含めれば、遊べるゲームは数多く存在します。ですが、PS5専売タイトルはごく一部。そのなかには優れた作品もあるものの、カジュアル層にまで届くほど話題になったものは一握りに限られます。

 コアなゲームファンならPS5の詳しい動向をチェックしているため、その都度朗報も届きました。しかしカジュアル層からすれば大きく目立った動きはなく、「沈黙の2年間」と思われても仕方がありません。それほど、PS5の供給不足は大きな壁となって立ちはだかっていたのです。

【画像】PS5を買ったら遊びたい名作たち(6枚)

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