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『ダイレンジャー』放送から30年 「善悪を超越した」最強キャラ、前代未聞の最終回

中国拳法をモチーフにした戦隊『ダイレンジャー』放送から30年。感動的なドラマからシュールな展開まで、ファンを熱狂させた作品として今なお高い人気を誇ります。一部のファンから続編を期待されている理由とは?

当時の格ゲーブームから生まれた新戦隊

中華拳法をモチーフとした『五星戦隊ダイレンジャー』 (C)東映
中華拳法をモチーフとした『五星戦隊ダイレンジャー』 (C)東映

 本日2月19日は、1993年にスーパー戦隊シリーズ第17作となる『五星戦隊ダイレンジャー』が放送開始した日。今年で放送30年目になります。

『ダイレンジャー』のモチーフは「中国拳法」でした。これには当時の『ストリートファイターII』をはじめとした「格闘ゲーム」が、子供から大人まで人気だったことが大きく影響しています。前年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』がRPG(ロールプレイングゲーム)からスタートして「恐竜」をモチーフにしたのと同様で、当時の格ゲーブームに合わせたモチーフでした。

 この中国拳法から発展してオリエンタル要素が加えられるようになり、『水滸伝』から「○○星」といった呼び名、『三国志』からキャラクターの名前を引用するといった部分を組み込みます。これには前作『ジュウレンジャー』が西洋神話から着想を得たことと、異なる印象を与える役目もあったようです。

 このためか、放送前に噂になったタイトル名に『中華戦隊チャイナマン』というものがありました。筆者も当時聞いたことがあります。これはどうやら情報流出を調査するために意図的に作られた仮名だったそうで、本来の仮タイトルは別にありました。ちなみにこの仮名は後に『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』(2013年)でパロディとして使われています。

 そういったオリエンタル要素から、オープニングで戦隊メンバー全員が自転車に乗る映像が使われていました。これは当時の中国の一般的な移動手段のイメージが自転車だったことによるものです。そのため、現在ではわかりづらいオマージュになったと言えるでしょう。

 わかりづらいと言えば、本作は『バトルフィーバーJ』(1979年)より始まるスーパー戦隊シリーズの15作品記念作と銘打たれてスタートしました。それは当時、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)と『ジャッカー電撃隊』(1977年)は正式にシリーズには含まれなかったからです。

 しかし、本作放映中に『ゴレンジャー』と『ジャッカー』を含んだ「超世紀全戦隊」というシリーズ名が生まれ、後の『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)の劇場版において「戦隊シリーズ20周年記念」と明記されて以降、現在のようなカウント方式となりました。

 本作の人気は高く、オモチャ売り上げこそ当時の戦隊では一位だった前作『ジュウレンジャー』には及ばなかったものの、関連商品すべての売り上げでは前年の120%以上を記録しています。

 それほどの人気を得た『ダイレンジャー』。その魅力は何と言っても、硬軟双方に印象的なドラマがあったからだと考えられるでしょう。感動的なシリアスなドラマと、シュールな魅力あふれるコメディタッチの融合。現在でも十分に通じる作品でした。

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