【春アニメ1話レビュー】『フルーツバスケット』考えさせられるシーンは名作ならでは
2019年4月5日からテレビ東京系列で放送開始したアニメ『フルーツバスケット』は、多くのファンに支持されている原作マンガの2度目のアニメ化作品です。放送された第1話の内容から、作品の楽しみどころを紹介します。
逆境にあっても明るく振る舞う主人公が、周りを変えていく
2001年にTVアニメが放送され大ヒットとなった『フルーツバスケット』。18年越しにビジュアルが現代風になり、声優も一新されて、2019年4月5日(木)から新作アニメとして放送がスタートしました。原作は、白泉社が刊行しているコミック雑誌「花とゆめ」で1998年から2006年まで連載されていたマンガ『フルーツバスケット』(高屋奈月/白泉社)。
主人公は、都立海原高校に通う女子高生・本田透。透は両親を亡くし、1人でテント暮らしをしていた。ある時、 “プリンス由希”と呼ばれている学園の王子・草摩由希やその一族が住む「草摩家」の敷地内にテントを張ったことがきっかけで、透は草摩家と同居することに。彼ら草摩一族には秘密があり、彼らは代々十二支の物の怪憑きで、異性に抱きつかれると獣に変身してしまうという。一族との同居生活は、いったいどうなってしまうのか――。
父親を亡くし、母親を亡くし、住むところまで失ってしまった透ですが、いつも元気に明るく振る舞い、暗い顔を見せません。大変なこともなんとか乗り越えようと頑張る透だからこそ、周りもそれを見守り、そっと支えている。その“透らしさ”が、深い闇を抱える草摩一族の日常を少しずつ変えていきます。
今期は第1話が放送されたばかりですが、Amazonプライム・ビデオで配信中の2001年版2019年版の第1話を見比べてみると、18年近くの時を経て、キャラクターはもちろん、家の造りやテント、布団や服装などのデザインが変わっています。そして初代アニメの由希の声が思った以上に女性っぽい。今期版は男性声優が演じているが、どちらも違和感がない……といった驚きも。初代アニメ版を観ていた人は、このように見比べて違いを探したり、「自分が好きだったあのシーンはどうなるのかな?」なんて考えたりしながら見ると、より一層楽しめるでしょう。
もちろん、今回初めて触れる人にも、ぜひ見てほしい作品です。名作として長く愛されている同作品ならではの、人との関わり方や生き方について考えさせられるシーンがこれからどんどん登場します。透を中心とした、ドタバタあり涙あり笑いありの『フルーツバスケット』、今期の視聴リストに加えてみては?
(きこなび 月乃雫)