負けてもファンが増える『刃牙』最大のカリスマ・花山 「登場だけで嬉しい」
大人気格闘マンガ『刃牙』シリーズで熱烈なファンの多い喧嘩師・花山薫ですが、実は勝率は良くありません。結果だけ並べると負けが多いのですが、それでもネット上では「負けが多くても格が落ちない」と、むしろ好意的な声ばかり。なぜか負けても格が落ちない、漢・花山の魅力を探ってみたいと思います。
負けが多くても格が落ちないカリスマ性
2021年に連載開始30周年を迎え、シリーズ累計発行部数8500万部を超える大人気格闘マンガ『刃牙』シリーズのなかで、主人公の刃牙や、その父で地上最強の生物・範馬勇次郎以上の人気を集めているのが、「日本一の喧嘩師」と呼ばれるヤクザ・花山薫です。その人気はすさまじく、『バキ外伝 疵面 -スカーフェイス-』と、『バキ外伝 創面』とスピンオフがふたつも作られるほど。
しかし、彼は数々の猛者が揃う『刃牙』シリーズのなかでは、戦績だけだと意外と負けが目立ちます。今回は、負けても格が落ちない花山の魅力を振り返りましょう。
花山はシリーズ1部の『グラップラー刃牙』から登場している主要キャラクターのひとりで、15歳で父が敵対する富沢会に殺されたため花山組二代目組長を襲名しました。さらに直後に背中の刺青「侠客(おとこ)立ち」の「真なる完成」のために、単身で富沢会に乗り込んで壊滅させ、わざと刺青におびただしい刀傷を負っています。その後、圧倒的な素手喧嘩(ステゴロ)の強さで全国に名をとどろかせていました。
そんな花山の名勝負といえば、真っ先に挙げる人が多いのが、第2部『バキ』での最凶死刑囚・スペックとの対戦です。圧倒的身体能力に加えて、重火器含むあらゆる武器を使用してきたスペックを、花山は拳と規格外の握力による攻撃だけで真っ向から倒し、目撃していた警察官まで憧れてしまうほどの雄々しい姿を見せました。口のなかで銃弾を爆発させられ、膝を拳銃で撃ち抜かれるも、戦い続ける姿に惚れた人が多いようです。
そんな花山ですが、15歳の時点でプロボクサーのトミー・カービンや、ユリー・チャコフスキーらを難なく倒すものの、主人公・刃牙との戦いでは死闘の末敗北。さらに、直後に乱入してきた範馬勇次郎に、再起不能になりかけるほどの重傷を負わされました。その後も最大トーナメント2回戦で愚地克巳に敗れ、4部『刃牙道』では勇次郎と再戦して吹っ飛ばされ、クローンとして蘇った剣豪・宮本武蔵相手にも敗北しています。
割と負けが目立つ花山ですが、ネット上ではむしろ好意的なコメントが多く、「戦績大したことないのに格が落ちない漢」「負けてもかっこいいキャラナンバー1」などの声があがっています。
「格上ばかりと戦っているからしょうがない」「雑魚狩りしないからな」「トレーニングせずに天賦の才だけで戦ってるし、防御もしないし」「克巳との戦いは、起き上がるの待ってなければ本来勝ってた」「武蔵相手にも、続行確認したり、刀投げ返したりしなければ、勝てたんじゃないか」と、彼の性格や、喧嘩の美学ゆえに負けが多いと考える人が多いようです。
本来は優しい性格で、武器は使わず、相手の攻撃は防御せずに受け切り、「強者として生まれても尚も鍛える行為は不正」と鍛錬もしないという、ファイトスタイル、生きざまで人気を呼んでいます。さらにスピンオフでは真面目に勉学に励む学生らしい姿や、ヤクザでありながら弱者を踏みにじるような稼業には一切手を出さない姿勢、自分に告白してきた女子への乱暴ながら優しさある配慮を見せるなど、花山の好感度は上がる一方です。
「『刃牙』のなかでいちばん男らしいし、いちばん常識人かも」「梢江との関係に悩む刃牙に声をかける場面とか、すごく大人だと思う」「母親との関係性に泣いた」「警察に頼まれて見返りも求めないで武蔵と戦うとか、人格者すぎる」「最強ではないのにあの戦い方を貫くから、勇次郎よりカリスマを感じる」と、さまざまな面で支持を集めていました。
(マグミクス編集部)