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豪華スタッフが結集したのに「結果が微妙」スーファミソフト3選 「ビジュアルは最高(泣)」

クリエイティブな領域は必ずしもすべてが成功するとは限りません。ゲームの世界も同じで、「予算や人材をそろえたけれど開発に失敗した」という話が珍しくないのです。今回はスーパーファミコン用ソフトとして発売された作品のうち、思うように結果を残せなかった3本をご紹介します。

時代の影に埋もれた大作ゲーム

1992年3月20日発売『超攻合神サーディオン』。重厚な世界観をまとったロボットアクションゲームだが、システム面で難点を抱えている。メディアミックスにともなって小説版もリリースされた(アスミック)
1992年3月20日発売『超攻合神サーディオン』。重厚な世界観をまとったロボットアクションゲームだが、システム面で難点を抱えている。メディアミックスにともなって小説版もリリースされた(アスミック)

 クリエイティブな仕事はどうしても不確定要素がつきまといます。いくら潤沢な予算や一流の人材がそろったとしても、リスクなしで100%成功するとは限りません。これはビデオゲームにおいても同じで、豪華メンバーがそろったのにもかかわらず、セールス面で不調に終わった作品が過去にいくつも存在しました。今回は1990年代に発売されたスーパーファミコン用ソフトのうち、結果が振るわなかったタイトルを3本ご紹介します。

●ハードSFの世界観は良かったのに?『超攻合神サーディオン』

 1992年3月に発売された『超攻合神サーディオン』は、小説とゲームでマルチメディア展開を行ったロボットアクション作品です。メカニックデザイナーとして森木靖泰氏、カトキハジメ氏らが携わり、『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる「ガイナックス」(制作会社)が監修を務めました。プレイヤーは太陽系の惑星「火球」に降りかかった危機を退けるべく、文明の叡智を結集した「超攻アーマー」を操縦して機械化惑星との戦いに挑みます。

 全編を通してハードSFテイストが目立つ一方、肝心のロボットアクションはかなり惜しい作り。劇中では「サラマンダ」「アルセイデス」「レオパルド」と呼ばれる3形態が用意されているものの、快適性を考えると汎用性のあるサラマンダ一辺倒になりがちで、ほかの2形態にチェンジする意義が薄れています。さらに完全体の「サーディオン」は性能面も強力なため、他形態は一部(弾除け等)を除いて出る幕がほとんどありません。物語や世界観の設定が練り込まれている分、操作性やシステム面の調整不足が目立ってしまった印象です。

●ビジュアルは素晴らしいのに?『魔天伝説~戦慄のオーパーツ~』

 PlayStationやセガサターンといった次世代機が誕生し、スーパーファミコンで言えば後期にあたる1995年10月。殺伐とした世紀末を描いたRPG『摩天伝説~戦慄のオーパーツ~』がリリースされました。こちらは造形師・キャラクターデザイナーの韮沢靖氏、イラストレーターの寺田克也氏がデザイン面を担当。21世紀の終わりに地形ごと宇宙空間へ飛び立った日本を舞台に、勇気ある若者が地球への帰還を目指して原因究明へ乗り出します。

 ゲームの流れは「フィールドを移動」「3Dダンジョンを攻略」「イベントを発生させて次の目的地へ」というもの。一度しか登場しないキャラクターにもしっかりグラフィックが用意されているなど、ビジュアル部分の作り込みは目を見張る部分があります。

 ところがその反面、ダンジョン攻略に伴うバトル回りはやや単調な仕上がりと言わざるをえません。モンスターのバリエーション不足にくわえ、ゲーム中盤あたりで戦闘パターンがほぼ固定化し、大抵の敵は役割分担(攻撃/回復/補助)のみで勝ててしまいます。演出面がキラリと光るからこそ、「もう少し戦闘が面白ければ……」と物申したくなる作品と言えるでしょう。

【画像】隠れた名作?大ヒットもあり得たスーファミ用ソフト(4枚)

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