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『鬼滅の刃』「長男」炭治郎が頼ってしまう甘露寺蜜璃の「お姉さんらしさ」

『鬼滅の刃』の「刀鍛冶の里編」で大活躍する、恋柱・甘露寺蜜璃は惚れっぽいだけではありません。強くて優しくて、そして頼りになる「お姉さん」でもあります。頑固な「長男」として知られる炭治郎ですら頼ってしまうほどの、蜜璃のステキな「お姉さん」ぶりについて、考えてみます。

恋柱・甘露寺蜜璃は天然の「お姉さん」キャラ!

 恋柱・甘露寺蜜璃の大活躍が楽しみなTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』ティザービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
恋柱・甘露寺蜜璃の大活躍が楽しみなTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』ティザービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2023年2月3日から公開された映画『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は、TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の第10話と第11話、そして2023年4月から放送されるTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』の第1話で構成されています。そのなかで、恋柱・甘露寺蜜璃の明るさはとても貴重で、心救われるものでした。

 甘露寺蜜璃は、TVアニメ『鬼滅の刃 柱合会議・蝶屋敷編』で初登場し、柱たちにも、魅力を感じてはキュンキュンときめく、素直でポジティブな性格をのぞかせていました。そんな彼女は、今回の「刀鍛冶の里編」では登場シーンから、見る人をキュンキュンときめかせます。

 温泉に向かう道ですれ違う場面の後の蜜璃の炭治郎とのやり取りは、フレンドリーというよりも、まるで「弟」に対するような親しさと近さです。禰豆子に対しても、柱合会議以来の再会であるはずなのに、鬼だからとかまえることもなく、やはり妹のように、かわいがっています。このような蜜璃の「お姉さんらしさ」が発動される場面は、シビアな展開も多い『鬼滅の刃』では、貴重な心温まる一幕と言えるでしょう。

 今回はこの蜜璃の魅力のひとつでもある、「お姉さんらしさ」について考えてみます。

※この先の記事では、上映中の映画『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』及び、「刀鍛冶の里編」のネタバレを含みます。映画未鑑賞、原作マンガ未読の方はお気を付けください。

●禰豆子に対して見せた、優しい「お姉さんらしさ」

 炭治郎と禰豆子の兄妹に親しく接してくれた柱といえば、甘露寺蜜璃以外には蟲柱・胡蝶しのぶがいます。しのぶは柱合会議の後、迅速に炭治郎と禰豆子を蝶屋敷に引き取ると宣言して、彼らを保護。これにはケガの治療や鬼(禰豆子)の研究と同時に、お館様・産屋敷耀哉の許可は出たものの、竈門兄妹に良い感情を抱かない一部の柱たちへの、けん制の意味もあったでしょう。

 ただ、しのぶは自分の姉・カナエのようにありたいという思いから竈門兄妹をかばったのであって、炭治郎や禰豆子に対して「お姉さん」のような気持ちであったわけではないように思います。

 一方、蜜璃の「お姉さんらしさ」は、自身の家族構成や育った環境によって、ごく自然に培われたものと考えられます。鬼化している禰豆子を、人間の子供にするのと同じように、くすぐって遊んだり、抱きしめたり、あやしたりする仕草はごくごく自然です。気負った様子もなく、炭治郎としゃべりながら禰豆子と遊んでいます。蜜璃は、そんなふうに片手間に小さい子と遊べるほど、存在や扱いに慣れていて、優しい「お姉さん」であることに慣れているのです。

 その他にも、しゃがみこんで小さくなった禰豆子の目の高さに合わせて頭をなでてあげるなど、細かいところにも、優しい「お姉さん」らしい描写が見られます。

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