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『鬼滅の刃』「炭治郎、お前の方が鬼だろ!?」と、映画館でゾッとした瞬間

鬼にならないと鬼には勝てない?

炭治郎の「鬼」越えが見られる!? TVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』ティザービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
炭治郎の「鬼」越えが見られる!? TVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』ティザービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

●恨みを昇華した「被害者」とダークサイドに落ちた「被害者」

 そんな「鬼」炭治郎が再び現れるのが、「遊郭編」です。鬼殺隊の隊士たちの多くは、家族や大切な人を鬼に殺された「被害者」で、彼らが鬼と戦う理由は、かたき討ちです。柱たちも、家業として代々、炎柱を務めてきた煉獄杏寿郎と忍から転身した音柱・宇髄天元、「刀鍛冶の里編」で活躍する恋柱・甘露寺蜜璃以外は、鬼に家族や大切な人を殺された「被害者」であり、根底に鬼への恨みがあることは隊士たちと変わりません。彼らの場合、鬼への恨みを「鬼から人間を守る」という正義感に昇華させています。

 しかし炭治郎は、家族を殺されているにもかかわらず、最大の原動力は「妹・禰豆子を人間に戻す」こと。根底にあるのが鬼への恨みではないから、鬼に寄り添ったり、同情したりできるのかもしれません。

 一方、鬼たちのなかには、悲しい過去を持つ者たちもいます。上弦の陸、下弦の伍・累、響凱(きょうがい)らは、鬼になる前は社会的な弱者であり、なかでも上弦の陸の兄妹は、酷い環境で他の人間たちから虐げられ、命まで奪われようとした「被害者」です。そんな彼らは鬼になったことで、人を喰らう「加害者」に転じます。

「被害者だが、恨みを昇華させて正義のために戦う」鬼殺隊の柱や隊士たちと、「被害者がダークサイドに落ちて、加害者に転じた」状態の鬼たち。柱たちは、自分の正義だけを信じて鬼を倒していますが、炭治郎は違います。

 第10話で地面に押し付けた妓夫太郎の頸を斬ろうとしているシーンでは、刃の下の妓夫太郎の顔に炭治郎の顔が重なり、炭治郎は「正義のために戦う自分とダークサイドに落ちた妓夫太郎は、実は表裏一体である」と思いいたるのです。その上で、もしも自分がダークサイドに落ちた(鬼になった)場合は、「鬼殺隊の誰かが俺の頸を斬ってくれるはず」と、鬼殺隊の正義を信じています。

 鬼殺隊の柱たちすら気づいていない、「内なる鬼」の存在。炭治郎は激しい戦いのなか、そんな風に鬼に自分を投影して考えを巡らせていました。体はボロボロなのに頭は冴えすぎで、思わず「お前の方が鬼だろう!?」と思ってしまう場面です。

●その見た目、最強で最凶!

 最後に、もう、見た目だけで、「お前の方が鬼だろう!」と言いたくなるシーンを紹介します。

 妓夫太郎との戦いの最後の最後、炭治郎が渾身の「100倍の力」をひねり出して妓夫太郎の頸を斬るシーンです。顎から刺さった血鎌(ちがま)は口のなかにまで達しており、おでこのヤケドの跡が燃えて痣が出現。髪の毛は赤くメラメラと炎のようになり、指は妓夫太郎に折られて変な方向に曲がり、さらに、血走った白目で、あの咆哮を轟かせます……。頸を斬られそうになっている鬼の妓夫太郎よりも、炭治郎の方がよほど鬼に見えます。「鬼気迫る」をはるかに凌駕する「鬼」の形相です。

「刀鍛冶の里」編でも、炭治郎が鬼をゾッとさせるシーンがあります。今度の炭治郎は、どのような鬼の形相を見せるのか? 楽しみに待ちましょう。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(山田晃子)

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