『ワンピース』天竜人の「不自然」なまでの特別扱いはナゼ? 海軍が従う理由を考察
劇場版『ONE PIECE FILM RED』にて、ウタに「世界一の嫌われ者」とまで言われた天竜人。海軍の武力に守られて無法行為を繰り返す彼らの特権について考察してみました。秘密の鍵は空白の歴史にある?
海軍大将すら自由に操る世界貴族・天竜人
『ワンピース』における世界の支配者、天竜人。その権力は海軍をも自由に動かし、ありとあらゆる無法がまかり通るほどです。ごくわずかな例外はあるものの、権力で腐敗し、愚鈍な貴族として描かれている天竜人が、絶対的権力を持つことができたのはなぜでしょうか。この記事では天竜人の権力の源について考察します。
※この記事では『ONE PIECE』の単行本未収録、未アニメ化の内容を含みます。ご了承の上お読みください。
●天竜人は世界を救った英雄の子孫だから偉い!
天竜人は800年前に世界政府を作った20人の王(アラバスタのネフェタリ家のみ例外)の子孫とされています。つまり現在まで続く世界の秩序を作った創造主の末裔だから「世界貴族」として、絶対の権力を保持する正当性があるということ。これが天竜人の権力の源であり、無法が許される表向きの理由です。
なるほど、きっとご先祖様は強く賢く偉大だったことでしょう。子孫は代々その威風を継承してきたに違いありません。しかし800年を過ぎた今、かつての英雄の末裔は絶対的権力に守られて堕落しきっており、世界中から憎悪の目を向けられています。
そんな天竜人を海軍が守るのは、彼らが世界政府と同時に海軍を創設したからと思われます。しかし好き勝手に振舞う天竜人に完全に屈服しているのは不自然です。海軍には実力があるのですから権力のバランスが取れていません。歴史的正当性だけが理由とは考えづらいのです。
●両替シーンは不要!?世界の基軸通貨「ベリー」の謎
海軍が天竜人に屈服する理由について、まずは世界の経済という視点から考察してみましょう。『ワンピース』では世界政府が発行した「ベリー」という通貨が流通しており、国家を移動してもほとんど両替の必要がないほどです。ベリーはルフィたちに懸けられた懸賞金の単位にもなっています。
ただし例外として空島スカイピアの「エクストル」、女ヶ島アマゾン・リリーの「ゴル」、ワノ国においては「白金・金・銀」が通貨として使われている点に注目です。この3か国は世界政府の支配がほぼ及んでいない地域という共通点があります。