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【春アニメ1話レビュー】『キャロル&チューズデイ』 舞台は未来だが “人間らしい”音楽の物語

フジテレビのアニメ枠「Ultra+」で放送開始したオリジナルテレビアニメ『キャロル&チューズデイ』は、音楽が主人公の女の子2人を結びつけ、世界を繋いでいく物語。放送された第1話の内容から、同作品の楽しみどころを紹介します。

音楽が、寂しさを抱える“2人の女の子”を出会わせる

『キャロル&チューズデイ』 キービジュアル (C)ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会
『キャロル&チューズデイ』 キービジュアル (C)ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

フジテレビ「+Ultra」枠で2019年4月10日(水)深夜から放送がスタートした『キャロル&チューズデイ』。本作品は、アニメ制作会社ボンズの20周年記念、そしてアニメ映像や音楽を制作しているフライングドッグの10周年の記念作品として製作されたオリジナルTVアニメです。

舞台となっているのは、人類が火星に移住し、多くの文化がAIによって作られている未来。生まれも育ちも違う2人の少女が運命的な出会いを果たし、協力し合いながら2人で音楽を生み出し、ミュージシャンを目指していく物語です。

劇中歌と主題歌は全て外国語歌唱。キャロルとチューズデイの歌声は、2018年に開催された「キャロル&チューズデイ 全世界ボーカルオーディション」によって世界から選ばれた2人・Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)とCeleina Ann(セレイナ・アン)が担当しています。

キャロルは、火星の首都アルバシティで1人働きながらミュージシャンを目指している女の子。チューズデイは、地方都市ハーシェルシティの裕福な家庭で育ち、ミュージシャンになりたいという夢を誰にも理解されず家出してきた女の子。

この2人を結びつけたのは、キャロルが路上で奏でていた音楽でした。「誰も本気で聞いてくれたりしない」と思っていた音楽を、チューズデイは泣きながら聞いてくれたのです。夢を目指す2人の「寂しいけど、寂しくないって言いたい。1人だけど、1人じゃないって言いたい」という心が重なった瞬間でした。

そのあと2人で夢を語り合い、歌い、2人での音楽活動がスタート。今まで何不自由なく暮らしてきたチューズデイは、これから無事アルバシティで暮らしていけるのでしょうか。2人の音楽は、どこまで届くのでしょうか。

また、キャラクターやストーリーだけでなく、未来ならではの世界観にも注目です。スーツケースに自動走行機能がついていたり、道や乗り物、建物、システムなどあちこちに未来感がちりばめられています。その新しさと、”夢を追いかける女の子”をはじめとする変わらない人の本質の混在が、「人はやっぱり人なんだなあ」という安心感を与えてくれ、物語の今後の展開を楽しみにさせてくれます。

(きこなび 月乃雫)

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