“異世界転生モノ” NHKテキストにも進出。設定は学習内容にもマッチ?
アニメやマンガの人気作とコラボした学習参考書が次々と生まれるなか、近年トレンドのひとつとなっている"異世界転生モノ"のストーリーが『NHKテキスト』の英語教材にも採用されました。
島耕作から英語教材まで “異世界”に転生している
ふとしたキッカケから日常生活から異世界に転生し、主人公が今まで生活をしていた現代の経験や知識を活かして活躍する、いわゆる”異世界転生モノ”が人気を集めるなか、学参書の『NHKテキスト ラジオ 基礎英語2』(2019年5月号)にも”異世界転生”のストーリーが登場しました。
同書は中学2年で学ぶ基礎的な英語をラジオと併せて学習することを目的とした参考書で、女子中学生の主人公が学校と架空の世界とを行き来しながら、ドラゴンに誘拐された王子を救う……というストーリーに沿って、「自分の気持を伝える」「意見を述べる」「夢を語る」など、自分自身を表現するための英語力を鍛える学習内容を展開しています。
異世界転生モノの代表的な作品といえば、小説投稿サイト「小説家になろう」で、2013年から連載がはじまった『転生したらスライムだった件』(伏瀬/マイクロマガジン)。翌2014年にはマイクロマガジンより文庫版が刊行され、2018年にアニメ化された人気作で、2020年にアニメの第2期が放映されることが発表されています。
また、サラリーマンのサクセスストーリーを描いた人気マンガ『島耕作』シリーズの最新作『騎士団長 島耕作』の舞台も、中世のヨーロッパを思わせる架空の王国「ファーストターフ王国」に設定され、主人公が企業戦士としての記憶を頼りに異世界の騎士団長として活躍するというストーリー。その異例の転身が話題を呼び、連載が開始される『月刊コミックゼロサム』2019年5月号の発売前から注目を集めています。
もともと、英語教材にファンタジーの世界観やストーリーを取り入れる狙いは、流行を押さえることだけではありません。ドラマチックなセリフや例文は英語表現と相性が良く、冒険や恋愛要素などを含んだストーリー展開が興味を引き、学習する上でのモチベーション向上も期待できます。