勘違いしてた『ガンダム』の人物評 「冷酷でも無能でもなかった」優秀な司令の存在
子供の頃に観ていたアニメを大人になってから見返すと、当時と全然違った印象を受けることは少なくありません。そこで今回は当時は嫌だったけど、今見ると印象が大きく変わったキャラクターについて掘り下げます。
子供の頃の印象が一変!

子供の頃、夢中になって観たTVアニメ『機動戦士ガンダム』を大人になってから見返すと、いろいろな発見があります。例えば内向的な主人公だと思いこんでいたアムロは意外と熱血漢な面があり、かなりの努力家であることに気づいたりもしました。
他にも、ずっと嫌なキャラだと記憶していた人物に、まったく逆の感想をいだくケースも。自分にとってその筆頭が、地球連邦軍のルナツー方面軍を指揮するワッケイン司令でした。
彼は命からがらサイド7を脱出してきた避難民をルナツーに降ろすことを認めず、逆にホワイトベースやガンダムを没収、ブライトたちを軍事裁判にかけると言い放った人物です。初めてこのシーンを観た頃は小学生だったこともあって「本当にイヤな軍人」と短絡的に考えてしまいました。
●軍規に則るということ
ホワイトベースに乗り込み、サイド7を脱出した避難民たちは、度重なるジオン軍の追撃を受けながらルナツーへとたどり着きます。肉体的にも精神的にも限界を迎えていた避難民に、基地で休息をとらせようとしたブライトの判断は当然だと思いました
しかし、ワッケインはこの申し出を却下。重症のパオロ艦長が「ホワイトベースの修理と子供たちを……」とワッケインに伝えますが、彼はこの老提督の言葉を黙殺したようにも感じました。
彼の冷たい対応に、当時子供だった自分は納得いきませんでしたが、ワッケインは避難民を地球に移送せよという上の指示に従ったに過ぎません。彼が軍人である以上、軍規に則って行動するのは当然だったのです。
●ワッケインが犯した失敗
ブライトは、ルナツーにシャアの攻撃がある可能性を示唆しますが、ワッケインはそれをまともに受けとめませんでした。その上、最高戦力であるガンダムに拘束具を施して封印し、ホワイトベースのクルーを軟禁します。
結果、基地はシャアの奇襲を受けて大混乱に。ワッケインは自らマゼラン級の戦艦に乗って出撃しますが、港の出口に仕掛けられていた爆発物のトラップにまんまと引っかかってしまいます。
そんな判断ミスもあって、基地に危機が訪れますが、アムロたちがワッケインの命令を無視。ガンダムを独断で動かしたことでルナツーは窮地から脱します。当時はワッケインが犯した失敗に「それ見たことか!」と思った記憶があります(その後のワッケインの行動はよく覚えておらず……)。