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【韓国アニメ時報】テコンドーから始まる「コリアンヒーロー像」の系譜

"青"がリーダー? 韓国では"鉄板"の戦隊ヒーロー

『獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ』(東映)
『獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ』(東映)

 韓国アニメのヒーロー像をふり返る時、日本の影響を受けた特撮番組も重要になってきます。
 
 1988年には『ウレメ』と同じシム・ヒョンレの主演の『スパークマン』という実写映画が作られました。製作は日本の下請けなどを行っていた大元動画。この作品は東映のメタルヒーローとスーパー戦隊に多大な影響を受け、宇宙刑事風のヒーローが巨大ロボットに搭乗して戦います。

 日本の実写作品が韓国に輸入されたのは、1989年の『超新星フラッシュマン』が最初とされています。以降、日本の特撮番組が韓国で人気となりました。

 スーパー戦隊が『パワーレンジャー』に姿を変え、吹き替えで韓国国内でTV放送されています。韓国版『獣電戦隊キョウリュウジャー』は大ヒットし、現地オリジナル版のドラマ『パワーレンジャーダイノフォース ブレイブ』として制作されました。
 
 現在では、番組だけでなくヒーローショーも開催されているといいます。”戦隊もの”は韓国で鉄板のコンテンツなのです。

 最近の作品では、『最強戦士ミニ特攻隊』(2014年)を紹介したいと思います。かわいい動物たちが変身しチームを組んで戦うアニメで、スーパー戦隊の影響下で作られた作品といっていいでしょう。”戦隊もの”との共通点は、それぞれの戦士が固有の色のついた戦闘服をまとい戦う点です。4人の戦士はチームとして戦い、追加戦士も登場。巨大ロボットにも搭乗するといった共通点もあります。

 しかし、そのまま戦隊ものを流用しているわけではなく、変身するのは動物であるという点や、「ミニ」というタイトルにもある通り、変身しても背は小さいままです。

 また、戦隊ものといえば(例外はあれど)赤いヒーローがリーダーなのですが、『最強戦士ミニ特攻隊』では青がリーダーとなっています。こうした細かい点の違いもあります。

 他にも『地球勇士ベクターマン』(1998年)をはじめ、韓国のテレビではスーパー戦隊の影響下で作られた実写作品が多くあります。2002年には『環境戦隊ゼンタフォース』という家族がヒーローに変身するシリーズが作られ、韓流ブームに乗って日本でも放送されました。

 同じく戦隊ものの影響下で作られた中国のテレビシリーズ『神獣金剛』や『巨神戦撃隊』と比べてみても面白いです。このように韓国には、日本から多大な影響を受けつつ、独自に変化してきた”ヒーロー像”の歴史があるのです。

(かに三匹)

(かに三匹)

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