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「平成初」を飾った『仮面ライダークウガ』、悪の秘密結社が不在だったワケ

俳優のオダギリジョーさんが主演したことでも知られる『仮面ライダークウガ』は、今年20年を迎える平成仮面ライダーの最初を担った作品です。作中に、シリーズおなじみの悪の秘密結社は登場しません。その理由を当時の時代背景から解説します。

「クウガ」による、仮面ライダーの再生

「S.H.フィギュアーツ 仮面ライダークウガ マイティフォーム」(BANDAI SPIRITS)
「S.H.フィギュアーツ 仮面ライダークウガ マイティフォーム」(BANDAI SPIRITS)

 2000年(平成12年)1月30日午前8時、平成仮面ライダーシリーズの記念すべき第1作目『仮面ライダークウガ』の放送が開始されました。『仮面ライダーBLACK RX』(1988~1988)の放送終了からおよそ11年ぶりに、テレビシリーズとして復活した仮面ライダーです。
 

「令和」という新しい時代が到来する今、いかにして『仮面ライダー』が「平成」時代に復活したのかを、時代背景からひも解いていきましょう。

『仮面ライダークウガ』が放送される以前、東宝は映画『ゴジラVSビオランテ』(1989)に端を発する“平成ゴジラシリーズ”を年1本ペースで劇場公開していました。

 大映(現・KADOKAWA)はゴジラシリーズに対抗する形で『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)から始まる平成ガメラ三部作を発表し、円谷プロダクションも『ウルトラマン80』(1980~1981)放送終了から15年ぶりとなるテレビシリーズ『ウルトラマンティガ』(1996~1997)を発表しました。

 ゴジラ、ガメラ、ウルトラマンといった人気特撮作品が次々に復活していたのです。これらの作品は過去のシリーズから世界観を一新、よりリアリティを追求し“平成”という時代に相応しい作品を目指しています。

『クウガ』による仮面ライダーシリーズの復活も、こうした流れを汲んだものといえるでしょう。『クウガ』は「A New Hero. A New Legend.」というキャッチコピーを掲げ、これまでの仮面ライダーシリーズから世界観と設定を一新し、リアリティを重視した作品となっています。

 仮面ライダーと警察機構が協力して敵怪人を倒す展開、劇中に「仮面ライダー」という呼称が登場しない、戦闘場面で必殺技を叫ばない、仮面ライダーや敵怪人に対する民間人のリアクションを挿入するなどの描写が、作品にリアリティを持たせています。

 さらに『クウガ』は、仮面ライダーと敵怪人が“改造人間”であり、敵が世界征服を目指す“悪の秘密結社”、敵組織の“戦闘員”という、これまでの仮面ライダーシリーズの基本要素を徹底的に排除しました。こうした試みは過去のシリーズとの差別化やリアリティの追求だけが理由ではなく、『クウガ』が製作された当時の時代背景も大きく影響しています。

時代を先取り? 平成最初を飾った「クウガ」の造形美(5枚)

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