【漫画】優秀な少年が「笑顔を固定するギプス」をつける悲しい理由とは? 結末に「泣いた」
暴れん坊の小学生・ケンは、成績優秀でお金持ち、女子にもモテモテの男子・将太が常に笑顔なのが気になっていました。なぜいつも笑っているのか聞くと、なんと顔から「ギプス」をはがし……。漫画家・山うたさんのマンガがTwitterで読者の涙を誘っています。
ギプスで笑顔を強いられてきた少年の思いとは?

暴れん坊でよく問題を起こす小学生・ケンは、成績優秀でお金持ち、女子にもモテモテの男子・将太が常に笑顔なのが気になっていました。クラスの男子にいじめられても笑顔の将太に、なぜいつも笑っているのか聞くと、なんと顔から「ギプス」をはがし……。
漫画家・山うたさん( @_yamauta_ )による創作マンガ『スマイルギプス』がTwitterで公開されました。温かい結末には読者から「泣いた」「不穏な話と思ったら普通に良い話だった」「親と向き合って本音を言うのはとてつもない勇気だったろうな」「最高」などの声があがり、Twitter投稿には4.5万いいねの反響が集まっています。
作者の山うたさんに、お話を聞きました。
ーー今回のお話では「笑顔を固定するギプス」という特殊なアイテムが登場しますが、お話はどのように生まれたのでしょうか?
美大生時代、映像学科で脚本の授業があり、教授の「登場人物の二面性を描くことで物語が発生する」という言葉が印象的で、実践を試みたのがこのお話です。偽りの笑顔とその下の本当の感情を描くことで二面性を簡潔に描けると思い、プロットを進めました。
ーー怖いお話かと思いきや、温かい結末に感動の声が寄せられています。お話の展開で工夫なさったことや心がけたことなどを教えて下さい。
コロナ禍が始まった、日本中がピリピリしてた時期に描いた作品です。そんなご時世に、読み終わってほっとできるような温かい作品を目指しました。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声があれば教えて下さい。
『スマイルギプス』の最初の発表直後、古い友人からかなり的外れな酷評メッセージが届きました。傷ついた旨を伝えると、「コロナ禍と育児でストレスがたまって言ってしまった……」とのこと。彼女とは縁切りしましたが、『スマイルギプス』という作品に自信が持てず、ずっともやもやしていました。
今回の再掲でたくさんの人に良い評価をいただき、あのときの傷が癒えてきた気がします。彼女も、私がマンガの力でほっとさせたかった人のひとりではあったんだよなあとも思います。
また最近では、将太が親に対して、自分の意見を勇気をふりしぼって伝えたことを読み取って下さった感想をいただきました。キャラに寄り添って読んでいただけてうれしく思いました。
ーー「COMIC MeDu」にて連載中の『よみがえる子猫たち』について、単行本が2巻まで発売中です。お話のあらすじや見どころなどをご紹介いただけますか?
20XX年、死者の蘇生技術が発見される。しかし蘇生させた者の一部が狂暴化することや倫理的問題から国際的に禁忌とされた。秘密裏に蘇生された人間は「よみがえり」と呼ばれ、行政から駆除命令が下される。朝井おん(11)は、バディの影山ひなた(12)とともに「よみがえり駆除」を行っていた。おんは何の疑問も持つことなく残忍な任務を請け負っていたが、ある時……。
おん、ひなたの心の動きを見ていただけたらうれしいです! ぜひ読んで下さい!
ーーマンガやその他で、現在のご活動内容や、今後の活動のご予定などについて教えて下さい。
現在、連載と同時進行で読み切りマンガなども進めています。こちらは2023年内掲載目標です。よろしくお願いします!
●山うたさん 前回のインタビュー
(マグミクス編集部)