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最近のアニメに「実在企業」の本編登場が増えてきたのはナゼ? 特に注目されるジャンルとは

かつてオタクの趣味とされていたアニメですが、近年は一般化し、映画に限っても興行収益100億円を超える作品が次々と登場しています。アニメの影響力はどのように活用されているのでしょうか。

なぜやたら増えている?

料理の幅が乏しい異世界で地球の食料品を使って美味しい料理を振舞う主人公「ムコウダ」。画像はTVアニメ『とんでもスキルで異世界放浪メシ』キービジュアル(C)江口連・オーバーラップ/MAPPA/とんでもスキル
料理の幅が乏しい異世界で地球の食料品を使って美味しい料理を振舞う主人公「ムコウダ」。画像はTVアニメ『とんでもスキルで異世界放浪メシ』キービジュアル(C)江口連・オーバーラップ/MAPPA/とんでもスキル

 一般社団法人日本動画協会の「アニメ産業レポート2022」によると、2002年と比べて日本アニメの国内売上は約2倍、海外売り上げは約3倍に成長しているとのこと。今やアニメは一般化し、企業との「タイアップ」はごく当たり前のものとなりました。

 この記事ではアニメと企業のタイアップが増えている理由について考察します。

●2種類のタイアップ

 アニメと企業のタイアップは管見の限りにおいて、大きく2種類に分けられます(玩具を売るためのアニメ制作は除外)。従来型の「作品人気にあやかる形でのタイアップ」と「タイアップを前提としたもの」です。

 前者は『ドラゴンボール』や『エヴァンゲリオン』、『ONE PIECE』、『鬼滅の刃』、新海誠監督作品などが代表的です。これら超大人気作品のキャラクターやブランドのパワーを広告宣伝に活用します。例えば新海誠監督の『天気の子』は、アルバイトの求人情報アプリ「バイトル」のCMに使われました。作中で経済的に苦しい様子が描かれた帆高や陽菜が、バイトアプリの紹介をするのですから、『天気の子』をみた若年層への訴求が期待できます。

●タイアップを狙ってアニメ化する

 漫画家や小説家にとってアニメ化はひとつの到達点です。アニメ制作には多額の資金が必要とされるため、採算が取れるような人気作だけが選ばれます。しかしここ数年はアニメ化の際に作品人気と合わせて「趣味性が高くターゲット層が明確」で「企業とのタイアップが狙える」という点が考慮された作品が増えたようです。

 例えば2023年1月に放送が始まった『とんでもスキルで異世界放浪メシ』(以下、とんスキ)です。無料のWeb小説から始まった本作は、小説版だけで累計350万部突破の大人気作品。アニメ化の際にイオンリテール、エバラ食品工業、カゴメなどが協力企業として名を連ねているのが特徴です。

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