ナムコには珍しい? 中身が微妙だったファミコンソフト 「運だけが頼り」
いきなりダース・ベイダーと決戦? 何かが違った『スター・ウォーズ』
●スター・ウォーズ(1987年12月4日発売)
1977年に産声を上げ、関連産業の総収益が3兆円を越えるSF映画『スター・ウォーズ』。映画史における同シリーズの影響力はもはや説明不要でしょう。莫大な人気を市場へ最大限に還元するべく、キャラクターグッズなどの派生商品が当時から大量に作られ、現在までに数え切れないほどの利益を生み出しています。
ナムコによる1987年のファミコン作品『スター・ウォーズ』もそうした事例に含まれますが、中身は原作改変の嵐とでも言うべきアクションゲームでした。大枠は第一作目『スターウォーズ エピソード4/新たなる希望』に即しているものの、原作の再現ポイントは一部にとどまっており、『スター・ウォーズ』をよく知っているプレイヤーからすれば見過ごせない点が多々目立ちます。
とりわけ「なぜ?」と首をかしげたくなるのが、各ステージでお決まりのように立ちはだかる「ダース・ベイダー」。なぜか最序盤のステージ1から姿を現し、しかもサソリやサメの姿に化けて「ルーク・スカイウォーカー」に牙をむきます。
もちろん本物のダース・ベイダーもいますが、「俺さまはサソリベイダーだ!」と出会い頭に語る偽ダース・ベイダーの登場シーンは、否が応でも本作の印象を決定づけてしまいました。作り込まれたグラフィックや音楽など褒めるべき点はあれど、やはり迷作という印象を受けたプレイヤーが多かったのではないでしょうか。
(龍田優貴)