学園モノからまさかの鬱展開? 今からでも間に合う『水星の魔女』の魅力
最終回でのグロ描写ばかりが何かと話題になりがちな『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。実はガンダムシリーズを観たことがない女性視聴者も虜(とりこ)にしている話題作です。今年4月からはシーズン2の放送がスタートするので、同作の魅力を解説します。
ガンダムシリーズとしては珍しい「学園モノ」

今年1月にSeason1の放送を終えた『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。ガンダム作品としては珍しい「学園モノ」で、ガンダムシリーズに興味がなかったファンまでも虜(とりこ)にしています。4月のSeason2放送開始に向けて、同作品の魅力に迫りましょう。
まず注目すべき点は、戦争ではなく「決闘」を基軸に物語が展開していくところ。決闘が与える影響は絶大で、学生間の尊厳や物品、さらには結婚相手さえも左右します。第1話ではアスティカシア学園最強のグエル・ジェタークが、主人公のスレッタ・マーキュリーに敗北。ミオリネ・レンブランの婚約者がグエルからミオリネに変更されるなど、決闘次第で人生が狂ってしまう可能性すら帯びています。
また決闘において、各人の操縦するモビルスーツの性能差などは考慮されません。ここも同作の重要ポイントで、モビルスーツの性能は生まれた家によって千差万別です。それもそのはず、同作のSeason1では連邦軍とジオン軍のような戦争は描かれず、あくまでベネリットグループに属する企業間の対立に息子や娘たちが巻き込まれる構図。
たとえば先述のグエルはグループ内でも地位の高いジェターク社の長男であり、下々の学生よりも高性能なモビルスーツを駆っていました。パワーバランスを崩壊させるほどのガンダム・エアリアルに対し、各々が組み上げる対抗策にも注目です。
同作の魅力は決闘や戦闘シーンだけではありません。登場人物は全員キャラが立っており、主要人物の取り巻きでさえもコアなファンがつくほど。特に決闘委員会所属のセセリア・ドートは目立った活躍がないにもかかわらず、ネット上で「恵まれた容姿から繰り出される罵詈雑言がたまらん」「あの太すぎる太ももと褐色肌が俺を狂わせる」などと評判です。
セセリアやミオリネをはじめ、チュアチュリー・パンランチやソフィ・プロネなど、サディスティックな女性キャラが多い模様。一方で男性キャラクターはイケメンからイケおじまで粒ぞろいです。なかでもグループ内御三家のペイル社に属するエラン・ケレスは、物静かな性格で誰にも興味を抱かない孤高の人物。あるきっかけでスレッタに興味を抱いて優しく接したことで、スレッタの心を奪いました。もちろん視聴者からも大人気でしたが、心を奪われた挙句壊されることになろうとは……。