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平凡だったのに!命がけの状況で戦うマンガのおじさんたち 「見習いたい生き方」

日々の暮らしで疲れているイメージのある「おじさん」ですが、いざというときは、家族や愛する人のために持てる力を発揮できるはずです。平和な現実世界では、なかなか活躍する場面がありませんが、マンガやアニメでは、ピンチで輝く、とびきりかっこいい「普通のおじさん」を見ることができます。

ある日突然ゾンビに襲われたおじさんも

TVアニメ『マイホームヒーロー』ティザービジュアル  (C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
TVアニメ『マイホームヒーロー』ティザービジュアル  (C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会

 アニメやマンガでは「若者」が主人公になることが多いですが、なかには「おじさん」がメインで輝く作品もあります。平凡な日常生活が一変してしまうような事態が発生し、愛する者を守るために命懸けで頑張る、魅力的なおじさん主人公たちを紹介します。

 2023年4月からアニメも放送予定の、『マイホームヒーロー』の主人公・鳥栖哲雄は、18歳の娘と妻の3人家族の大黒柱、おもちゃメーカーの営業職をしている、47歳のごく平凡なサラリーマン男性です。早くに両親を交通事故で亡くして孤独になった身のため、家族に対する愛情はとても強く、娘を溺愛しています。

 しかし、大学生になってひとり暮らしをしている娘・零花が、あるきっかけで凶暴な彼氏・麻取延人に殺されそうになり、哲雄は最愛の娘を守るため殺人を犯してしまいました。実は殺した延人は半グレ組織のメンバーで、穏やかだった日常生活は一変します。

 もともと推理小説マニアで、自分でも小説を書いていた哲雄は、豊富な犯罪の知識を活かして、裏社会の人間たちとスリリングな心理戦を繰り広げるのですが……。哲雄は一見どこにでもいそうな中年男性ですが、SNSでも「犯罪者にも負けずに立ち向かう姿は間違いなくヒーロー」「年を重ねるとこういうおじさんキャラが1番カッコよく感じる」と支持を受けています。

 つづいて少し若めのおじさんキャラ、『アイアムアヒーロー』の鈴木英雄は、売れない漫画家として冴えない毎日を過ごしている35歳の男性です。性格はやや卑屈でコンプレックスを抱く日々を過ごしていましたが、突如、謎の感染症が流行して、感染した人間がゾンビ(作中では「ZQN」)化する異常事態が発生します。さらには恋人・徹子さえもゾンビになり、英雄を襲い……。

 そんな異常な世界に身を置き、自分のことをダメなやつだと思っていても、人間としての「優しさ」や強さ」をなくさない、英雄の行動は、名前通りヒーローそのもの。また、彼には以前から所持していた、クレー射撃用のショットガンの腕前もあります。

 ネット上では、彼に対して「ヒーローとは見返りを求めない人だとわかった」「慌てふためく状況でも、自分の役割に軸足を置く姿に自分を投影できた」といった称賛もありました。とはいえ何もかもがうまくいくはずもなく、ときに過ちを犯しつつもなんとか生き延びていく英雄の人生に、リアリティを感じられる作品です。

 愛する家族にバカにされ、見た目も老人のような冴えないサラリーマン。それが『いぬやしき』に登場する犬屋敷壱郎です。彼は犬の散歩中に謎のUFOの墜落事故に巻き込まれ、宇宙人によって「機械の身体」にされてしまいました。壱郎は人としての身体を失いますが、その代わりに人間を超越した「機械の能力」を手に入れました。そして自分の存在意義を考えた壱郎は、生きている実感を得るため、人助けに力を注ぐようになります。

 ある時、壱郎が勇気を出して若者のホームレス狩りから男性を救った際、壱郎は他人を救えたことと感謝してもらえたことに喜びを感じました。そして、壱郎は同じ事故で同じく機械の身体になり、その力を悪事に使っていた高校生・獅子神皓と戦うことになっていきます。

 自分に対して冷たい態度を取っていた娘が、獅子神の起こすテロに巻き込まれたときも全力で戦って救い、自らの力で家族の信頼を勝ち取り、人びとのために奔走する壱郎の姿に、感動した読者も多かったようです。報われることがなかった人物が、卑屈にならずに能力を正しいことに使う姿、生きている実感を味わうために殺人を犯して暴走してしまう、哀しき悪役・獅子神との対比も胸を打つマンガでした。

(LUIS FIELD)

【画像】実写化されたおじさん主人公たちの雄姿!(5枚)

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