振り幅がすごい!『北斗の拳』ゲーム5選 名作、珍作、タイピング練習もあった?
2023年で生誕40周年を迎える人気マンガ『北斗の拳』は、2Dアクションをはじめ、プラットフォームや世代を越えてこれまでに数多くのキャラクターゲームが作られてきました。原作ファンを唸らせた良作や、思わずツッコミたくなる迷作など、異彩を放った「北斗の拳ゲーム」を振り返ります。
「リアルタイムあべしシステム」という独自システムも
「お前はもう死んでいる」の決め台詞でお馴染みの『北斗の拳』は、この2023年で連載開始から40年の節目を迎えます。原作の世界観に基づいたゲーム作品もたくさん作られてきました。そのジャンルはアクション、アドベンチャー、RPGと多岐にわたり、かなり遊べる良作や、買ったことを後悔してしまうような作品など、クオリティの面でもさまざまでした。
北斗神拳の伝承者「ケンシロウ」(主人公)の旅路をはじめ、漢(おとこ)たちの血なまぐさい戦いを克明に描いた『北斗の拳』ですが、歴代のゲームはそうしたエッセンスをどのように再現したのでしょうか。今回は数ある「北斗の拳ゲーム」から、特徴が際立つ5作品を振り返ります。
●ファミコン版『北斗の拳』(1986年8月10日発売)
「北斗の拳」を題材としたキャラクターゲームで数が多いのは、主人公・ケンシロウを操作して敵を蹴散らすアクションゲームです。しかし、1986年に発売されたファミコン版『北斗の拳』はどうにも爽快感に欠ける作りで、「正しい扉を開かない限り先へ進めない」という厄介な仕様を含め、ユーザーからの評価は思わしくありません。
「ステージ内で倒した敵から”あべし”を拾うとケンシロウがパワーアップ」という、(当時において)前代未聞なシステムも印象に残りますが、プレイフィールの快適さは同じく1986年7月に発売されたセガ・マークIII版に軍配が上がります。それでも同作が大多数の耳目を集めた点は間違いないでしょう。ファミコン版『北斗の拳』は原作人気もあいまって、キャラクターゲームのなかでは売上は好調、ファミコン向けに続編も作られました。
●北斗の拳 世紀末救世主伝説(2000年10月26日発売)
ファミコン版の発売から14年後に登場したPlayStation用ソフト『北斗の拳 世紀末救世主伝説』は、北斗の拳ゲームのなかでも高く評価されている名作です。
その理由は、同作に込められた作り手の原作愛。アニメ版のオープニング再現にはじまり、原作の登場キャラクターの多くが3Dポリゴンで描かれ、なおかつ雑魚キャラを味わいたっぷりに撃破できる「リアルタイムあべしシステム」まで搭載しています。
アクションゲームとしてのクオリティは平均点の水準にとどまっているものの、それらを補って余りある小ネタの数々やおまけモードが特徴的。作中のイベントシーンを自由に編集可能な「世紀末シアター」は同作を象徴する要素で、「トキとアミバの台詞を入れ替える」「ケンシロウの決め台詞をジード軍団に喋らせる」など、どんな名場面が生まれるかはプレイヤーの発想力に委ねられていました。
●北斗無双(2010年3月25日発売)
コーエーテクモゲームスが誇る「三國(戦国)無双」(以下、無双)シリーズとのコラボレーションで生まれた『北斗無双』は、計8名のプレイアブルキャラを操り、本家「無双」シリーズを踏襲したシステムで原作を追体験する3Dアクションゲームです。PlayStation 3とXbox 360のスペックを生かした美しいグラフィックが特徴的。またメインストーリーとは別に収録された「幻闘編」では、原作にて実現しなかった「もしもの世界」を味わうことができました。
発売から10年以上経った現在は、改良を加えた家庭用ゲーム機版『真・北斗無双』をはじめ、一部システムをアレンジしたスマートフォンアプリ版、さらには同名を冠したパチンコ機種も登場しており、「北斗の拳」ブランドを担う一大コンテンツへと成長しています。