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「もう死んでしまえ」は言い過ぎ! 『ドラえもん』のび太への罵詈雑言集

未来のひみつ道具でのび太を助けるドラえもんは、子供のみならず大人も羨む頼もしい存在ですよね。ところが、原作コミックスではあまりのダメ人間っぷりに嫌気がさしたのか、時おり辛辣な暴言をのび太に浴びせていました。いつも優しいドラえもんから。つい出てしまった容赦ない言葉の数々とは……?

ドラえもんでもストレスは溜まる?

手厳しい一言が収録された『ドラえもん』39巻(小学館・てんとう虫コミックス)
手厳しい一言が収録された『ドラえもん』39巻(小学館・てんとう虫コミックス)

『ドラえもん』は、50年以上愛される国民的作品で、海外でも人気のシリーズです。のび太から助けを求められると、ひみつ道具で救いの手を差し伸べるドラえもんですが、のび太のダメっぷりに思わず「暴言」を吐いてしまう様子も、たびたび描かれています。

 単行本39巻に収録されている「ハンディキャップ」では、周囲の人の能力を自分と同じレベルに合わせられるヘルメット型のひみつ道具で、のび太はジャイアンと同じレベルでケンカをしようとしました。ドラえもんはこの道具を出した時、「最大で日本全土にも及ぶ効果を発揮する」と説明していましたが、道具を貸すことをやめてしまいます。

 引き下がれないのび太が強引に道具を持ち去ろうとした際、ドラえもんは「日本じゅうが君のレベルに落ちたら、この世のおわりだぞ!」と痛烈なひと言をぶつけました。当の本人は「どういう意味だ!!」と憤慨していましたが、日本国民全員が勉強嫌いの運動音痴になってしまうと想像しただけでも、恐ろしいものです。この暴言のコマは、SNSの大喜利などでもよく使われています。

 つづいて単行本18巻「テレパしい」では、のび太は「心の中で思っていることを相手に伝えられるひみつ道具はないか?」と、相変わらずの怠け者ぶりを披露します。会話すらも面倒臭がる体たらくに、ドラえもんは「口きくのもめんどくさけりゃ、もう死んでしまえ。君にはあきれた。実にあきれた!」と怒ってしまいます。ところがのび太は「ドラえもんは短気だなぁ。」と、まるで他人事のよう。ここまで言われても、ピンときていないのび太に驚きを隠せません。

 ちなみにこの「テレパしい」は、良いことばかりではなく、相手に知られたくない本音やずる賢い考えまで全て伝わってしまいます。そのおかげで散々な目に遭ったのび太にとっては、「いいお仕置き」となったようです。

 次は、45巻「トロリン」での1コマをご紹介します。「僕の顔色……青いだろ?」と、ドラえもんに問いかけるのび太。するとドラえもんは、「青いというよりうすぎたない。けさも顔を洗わなかったな。」と、もはやただの悪口とも取れるキツいひと言を放ちました。

 単にのび太の顔が汚い、というだけでなく、普段から身だしなみに気を使っていないこともバラすこの暴言に対し、ネット上では「申し訳ないけど笑った」「ドラえもんの毒舌ヤバい」などのコメントが寄せられていました。

 最後は、27巻に収録されている「○□恐怖症」での一言をご紹介します。同エピソードではジャイアンによって、のび太が驚いて飛び上がった高さを測るイベントが開催されることになりました。のび太が帰宅してドラえもんに話したところ、返ってきたのは「よってたかって、いくじなしの弱虫の泣き虫ののび太をいじめるとは!!」との言葉。ジャイアンたちに怒りながらものび太の欠点を羅列した発言に、さすがののび太も「ちょっといいすぎじゃないの」と、口を尖らせて怒ってしまいました。

 しかし、ドラえもんの的確な発言に、思わず笑ってしまった読者も多いようです。いつものび太の側にいるドラえもんでも、言っていいことと悪いことはありますが、本音を言い合える「親友」のような関係だからこそ、許される発言なのかもしれません。

(LUIS FIELD)

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