『名探偵ピカチュウ』ヒットの秘密は「おじさん化」にあり?
日本が世界に誇るヒットコンテンツ『ポケモン』。初の実写映画『名探偵ピカチュウ』が話題です。ヒットの背景と楽しみどころを解説します。
令和初の「ポケモン」作品は実写映画

2019年5月3日から公開中のハリウッド映画『名探偵ピカチュウ』(原題:Pokemon: Detective Pikachu)。日本人にはおなじみの、任天堂から1996年に発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター赤・緑』略して『ポケモン』シリーズの映画化作品です。
ポケモンは携帯ビデオゲームとしてスタートし、その後に数多くのゲーム作品が作られました。それだけにとどまらず、アニメ、マンガ、小説、カードゲームやアーケードゲーム、キャラクター商品や歌謡曲になり、さらにはジャンボジェット化した「ポケモンジェット」、山手線や新幹線までポケモンラッピングしたポケモン列車、ポケモンスタンプラリーなど、メディアミックスや関連施設、イベントなどあまりに多いことは、ご存知のことと思います。
さらに言えば、1996年発売ということは、平成元年生まれが小学校低学年のころです。長い間人気が衰えることがなかったポケモンの「令和初」の作品がこの『名探偵ピカチュウ』で、ポケモン史上初の実写映像でもあります。ハリウッド映画ではあるのですが、5月3日に日本公開、アメリカでは5月10日公開ということで、日本が先行上映という形になっています。
まずはストーリーを簡単に紹介します。かつてポケモントレーナーを目指していたが、現在は夢破れ、保険屋として働く青年ティム(演:ジャスティン・スミス)は、ある時、長い間顔を合わせていなかった父であるハリーが交通事故で亡くなったという連絡を受けます。
父の話を聞くため、ポケモンと人間が共存する街、ライムシティの警察署、そして父の住んでいた家に向かいます。探偵をしていた父ハリーの部屋で、かつてハリーのパートナーであったピカチュウと出会います。そして驚くべきことに、そのピカチュウは人間の言葉を話し、その声は成人した男性のものでした。そんな一風変わったピカチュウとともに、ティムは父親の死に隠された真相に迫っていきます。
本作品は2016年2月3日に配信されたニンテンドー3DSダウンロード専用ゲームソフト『名探偵ピカチュウ 〜新コンビ誕生~』が直接の原作になっています。原作でも、ピカチュウが成人男性の声になってしまっているのです。